「ほら、怒られちゃうわよ」はNGです。責任転嫁の叱り方をしていませんか。
子どもが親の言うことを聞いてくれないとき、つい強い者の力に頼りたくなりませんか。例えば「ほら、怒られちゃうわよ」とママの言葉ではなく、誰か他人に力を借りる言い方をしてみたり・・・でも、この言い方って親の威厳がガラガラと崩れる原因になったりするんですよ。
■「自分は弱いからあなたを説得出来ない」と披露している言葉
こんなこと言っていませんか?
●パパに言うからね!
●パパが帰ってきたら叱ってもらいますからね!
●保育園の連絡帳に書いておくからね!
●先生にお電話しちゃうからね!
子どもがバスの中で騒いだとき、他の乗客だとか運転手さんとか誰とも特定しないで幽霊のような存在を出して「怒られちゃうわよ」と叱る人がいます。
親の言葉で伝えても言うことを聞かないとつい頼りたくなる強い力。でも、これらに頼れば頼るほど子どもから甘く見られてしまいます。「ああ、ママは自分ではどうしようもないから、他人の力に頼って僕に言うことを聞かせようとしている」と子どもからはお見通しだったりします。
■現行犯主義がよい
「そんなことするんだったら、後でパパからも叱ってもらいますからね」と言われ、数時間後に現場に居なかった人から、蒸し返されてまた叱られる。子どもはとても不愉快な思いをしています。
また、時間が経ってから叱るのも意味がありません。子どもが悪いことをした時は「現行犯主義」その時、バシッと叱り後は綺麗さっぱり忘れましょう。
■「ママは子どもの味方」と勘違いされる言葉
子どもが電車内で騒いだ時「ほら、怒られちゃうわよ」と口をついて出てきてしまうことってありませんか?でも、これって「ママ」が主体ではありません。誰かに頼っている言葉です。何だか「伝言ゲーム」をしているみたい。まるでメッセンジャーボーイですね。
しかも、言った親自身も“怒られることを納得はしていない風”にも聞こえます。
×バスの中で子どもが騒ぐとき「ほら、運転手さんが困っているわよ」
×電車内で子どもが騒ぐとき「前のおじさんが怒っているから静かにしなさい」
よく分析してみると親自体が「私は子どもの行動は悪いとは思っていないけれど、怖いおじさんが怒るから、静かにしている方が得よ」と言っているのと同じことです。これでは躾になりませんよね。
■先生にクレームをいう時も注意しよう
×他のママも同じように言っていました。
×私だけではないんです。
先生にクレームを言うとき「自分だけで責任を負いたくない気持ち」から、誰も同調なんかしていないのに「他にも同じように文句を言っている人がいます」とか「他の皆も同じ意見です」と他人を巻き込んで自己主張している保護者がいます。
更に「主人もそう言っています」と現場を全く見ていないそこには居ない人を引き合いに出して、相手をねじ伏せようとしている人もいます。
でも、受け取る先生側は「この親は自分に自信がないからこう言っているんだ」とか「首をただ縦に振っているママ友を巻き込んでいる」とお見通しだったりします。
これと同じで、子どもに対しても「皆もそう言っていたよ」「お友達のママもそう言っていたよ」「先生もそう言っていたよ」と他人を巻き込んで叱ることはやめましょう。
自分一人の力ではどうしようもない時、つい他人の力に頼って何とか子どもをコントロールしよう、自分の思い通りに動かそうとしたくなりますが“親の威厳を保つため”には頼ることは禁物です。
こんな時は「ママは電車内で騒いで欲しくないの。周りの人に迷惑がかかるでしょ」と自分自身の意見として子どもにしっかりと伝えましょうね。
※この記事を書いた立石美津子さんの著書
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2024/11/20 更新