「子どもが欲求し、必要とするものを適切なタイミングで与える」ことが、子育ての大原則です。
乳児期なら「ミルクや抱っこ」、3歳を過ぎると衣食住に「プラス・ストローク(肯定的な働きかけ)の言動」も加わります。
でも好奇心旺盛でルールを知らない幼児期は、ほめられたがっている子どもを叱らねばならない場面に数え切れないほど出くわすものです。
まずは「叱り上手」な親になりましょう。ポイントは「叱る」と「ほめる」のタイミングとバランスをつかむことです。厳しく叱った後ほどすぐに、「プラス・ストローク」の愛撫やほめ言葉をトッピングして、しぼんだ心に栄養剤を注入する必要があります。
「叱る」も「ほめる」も子どもの成育には必要不可欠です。「叱る」があるから「ほめる」も活きてくるのです。
叱ってばかりだと
叱責に慣れっこになって、注意散漫な子になりやすいです。性格や存在意義まで言及して叱ってしまうと、悲しくていじけたり、落ち込んだりして、自己肯定感を持てなくなります。心が不安定なため、「プラス・ストローク」を求めて過度な言動で周囲の気をひこうとします。
ほめるだけだと
ちやほやされないとがんばらない、ほめられたいから行動するなど、未熟で自己中心的な性格になる可能性があります。口先だけのほめ言葉は「おだて」と感じ、親に不信感を持ってしまうこともあります。傲慢な態度を取りますが、実は自信がなく、自尊感情がなかなか育ちません。
3つのポイントを押さえて、「ほめる」と「叱る」のバランスをとる
①「ほめる」は「質より量」を意識して、何度もほめる
②「叱る」は「量より質」を大事にし、感情的にならず簡潔に叱る
③叱りすぎた日は翌日にもフォローする
①「ほめる」は「質より量」を意識して、何度もほめる
刹那的で忘れっぽいのが特徴の幼児期には、「質より量」でほめましょう。それも一度にドカンをほめるより、シンプルに何度も回数を重ねるのがオススメです。
でもテレビや携帯電話の画面を眺めながら、「よくできた」「おりこうだね」などと、片手間にほめるのはNGです。ちゃんと向き合い、ハイタッチして、抱き合ってほめましょう。子どもにとって大好きなお母さんと嬉しさを全身で分かち合えることは、最高の幸せです。
②「叱る」は「量より質」を大事にし、感情的にならず簡潔に叱る
良い親子交流は「叱る」こと抜きには成立しません。特に社会に対してビギナーの幼児には、「これだけは」というルールや対人関係の知恵を教える必要があります。
本来、幼児は束縛を嫌うため好き勝手に行動し、頻繁に叱られますが、厳しく言われても親の愛情から出た叱責であれば、マイナスの交流とは感じません。でも親も生身の人間です。カッとなって怒ったり八つ当たりすると、子どもは敏感に「嫌なストローク」と感じ取って、心の扉を閉めてしまいます。
③叱りすぎた日は翌日にもフォローする
よく、「7つほめて3つ叱れ」と言われますが、あまりナーバスにならないようにしましょう。夜眠るときに回想して、「今日は親子ともに笑顔でいた時間のほうが上回ったかな」と思えればOKです。
叱りすぎてしまったなぁと思ったら、翌日に「昨日のママはイライラ虫がいたから、言い過ぎちゃってゴメンね。大好きだよ」と言って、早めにフォローしましょう。
子どもはあなたに嫌われたのではないかと不安だからです。大きくなれば親の気持ちがわかるはずというのは親の都合のよい思い込みで、大きくなる前に「うちの親は身勝手だ」と見限られてしまいます。子育ては「いま、ここで」が勝負です。
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2024/11/20 更新