子どもが言うことを聞かないとき、ついつい強い力に頼りたくなってしまいますよね。
例えば“ほら、怒られるよ”と怖いおじさんをちらりと見ながら叱るとか。でも、これですと他人の強い力を借りる“虎の威を借る狐”状態なんです。
■責任転嫁の叱り方あれこれ
次のように言っていることってありませんか?
×子どもが電車内で騒ぐとき「ほら、前の叔父さんが見ているよ。おとなしくしていなさい」
×子どもがバスで騒ぐとき「ほら、運転手さんに怒られちゃうよ」
×「先生にも伝えておくからね!連絡帳に書いておくからね!」
×「パパが帰ってきたら、パパからも叱ってもらいますからね!」
意識しないで言っているのかもしれませんが、大人自身が自分の弱い力ではどうしようもないと悟り、そこには居ない他人の力で子どもをコントロールしている言動なんです。
こんな叱り方をしていると親としての親の威厳はガラガラと崩れ、だんだんと甘く見られるようになってしまいます。
■躾は人に従わせるのではなく事柄に従わせる
“誰々に叱られるから○○しなさい”と指示していると、子どもは人を見て行動するようになります。
でも、電車内で静かにしているのは“誰かに怒られるから“ではありませんよね。勉強したり、居眠りしたり、休みたい人がいる皆が集う公共の場。公園や家にいるときと同じように大声で喋ったり、走り回ったりしてはいけないのです。
“怒られるからどうこう・・・・”こんな風に叱っていたら、たまたまガラガラで誰も居なかった場合“空いているからバスや電車内では騒いでもいい”と誤った解釈をしてしまう恐れもあります。
ですから次のように言いましょう。
「電車内は公園ではないのよ。静かにしなさい。おとなしくしていられないのだったら次の駅で降りて歩いて行きましょう」
「電車内で騒ぐのだったら、お出かけするのは止めて近くの公園で今日は遊んでいようね」
■責任転嫁する保育士
連絡帳にこんなことが書かれていることはありませんか?
「今日もふざけていました」
「給食を残しました」
保育士は事実をそのまま伝えるつもりで書いたのかもしれませんが、これを書かれたたいていの親は数時間、経過しているのにも関わらず日中、保育園であったことを蒸し返します。
そして「今日、保育園でふざけていたんだって?ダメでしょ!」「給食なんで残すの?好き嫌いしてはダメじゃないの!」と怒ります。
でも、これって現場を見ていない人から、しかも数時間も経って又、叱られて、言われた子どもはとても理不尽に思っています。
保育士も保護者の力を借りてなんとかしようとしているのですね。 本来はこう書いてほしいです
「今日、ふざけていたので叱りました。しっかり反省しているようですので、おうちでは再度触れないでくださいね」と・・・
小学校の保護者会で堂々と「うちのクラスには学力が低い子どもが3割もいます。おうちでしっかり注意してください」という担任がいます。陰で「子どもの学力が付かないのは、先生の指導力不足でしょ」とたいてい非難されているものです。全くの責任転嫁ですよね。
食卓の上に乗った子どもに「危ないから下りなさい!」と注意しているママを見かけますがこれも“危険”という強い力で脅している叱り方。
テーブルの高さなんで普段、もっと高いところで遊んでいる子どもにしてみれば危なくなんかないんです。
そんな時は「テーブルはご飯を食べる場所だから乗ってはいけません」とだけシンプルに言えばいいですね。
【あわせて読みたい】
>>【伝わる!】ワンパターンにならない「ほめ方」「叱り方のコツ」
>>子どもの躾「怒るのではなく叱る」そのための方法とは?
教育総合ランキング
2024/11/20 更新