子どもがわがままを言ったときにガマンを教えるのは、親としてとても大切なことです。
でも子どもは、お腹が減った、眠い、暑い、体調が悪いなど生理的な不快感があるときや、気持ちが不安定になっているときに、わがままを言うことがあります。
この場合、無理にガマンさせると、ぐずりがエスカレートしたり、逆にお母さんの顔色をうかがうようになってしまいます。ガマンよりも、子どもから話をよく聞き、原因を取り除くことが重要です。
一方、子どもが人に迷惑をかけたり、社会のルールに反するときは、頭ごなしに叱らずに、ていねいにわかるように理由を説明して、ガマンを学ばせる必要があります。
このように同じわがままに見える子どもの行動も、原因をたどっていけば、ガマンさせるべきとそうでないときがあるのです。それを見極めることが大切なので、子どもの様子をよく見て判断していきましょう。
年齢別ガマンの伝え方
1~2歳
自我が芽生え、自分の思いに気づく時期です。人は自己主張ができて初めて、ガマンができるようになります。1~2歳はガマンよりも、十分に自分の気持ちを表現させることが大切です。
3~6歳
言葉を理解できるようになり、まわりの状況もわかってきます。子どもの気持ちをしっかり受け止めつつ、理由を言葉で説明しながら、ときにはガマンが必要と教えていきましょう。
7~9歳
生活にはルールがあり、自分の思いが通らないこともあるとわかってきます。先を見通す力がつき、「今日はガマンして、明日○○しようね」といった伝え方ができるようになります。
ガマンを教えるときの3つのポイント
・まず「そうしたい」子どもの気持ちを受け止める
・ガマンが必要な理由を、子どもがわかる言葉で伝える
・メリハリのある柔軟な対応をする
ガマンをさせるべきか否かを見極め、ガマンが必要と判断した場合、次はどのように対応したらよいのでしょうか?
子どもは自分の気持ちを理解してくれる人を信頼し、その人の言葉に耳を傾けます。
ですから頭ごなしに「ダメ!」と叱るのはNGです。まずは子どもの「そうしたい」気持ちを受け止め、そのうえで子どもにわかる言葉でできない理由を伝えましょう。
また、ときには「今日は特別ね」と受け入れ、メリハリをつけることも必要です。 親が常に毅然とした態度で接し、約束やルールを守ることで、子どもは親を信頼するようになり、ここぞというときにはちゃんとガマンできるようになるのです。
「お母さんの心のゆとり」が、子どものガマンを育てます
一番忘れないでいただきたいことは、子どもは、自分の気持ちをわかってくれる人を信頼して耳を傾けるということです。
子どもにガマンをさせる前に、「今、この子はどんな気持ちかしら?」「自分の都合で叱ってないかしら?」と考えてみましょう。また、ときには自分の気持ちを思い切り表現できると、ガマンもできるようになります。くれぐれもダメダメばかりにならないように心がけましょう。
あなた自身を楽しませることも大事にして
ガマンさせるべきかどうかを冷静に見極めるには、お母さん自身に心の余裕があることも必要です。
イライラしたり、疲れていたりすると、つい理不尽に子どもにガマンさせようとしてしまうもの。ここでちょっと自分の心に聞いてみましょう。
「わたしはどんなときが楽しい?」と。 ゆっくり本を読む、花を見る、子どもと映画を見る、とさまざまなことが浮かんでも、がんばり屋のお母さんは、「そんな時間があったら、家の片付けをしなくては」「仕事をしなくては」と思ってしまうかもしれません。
でも、忙しければ忙しいほど、楽しいことをガマンしてはいけないのです。
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2024/11/20 更新