小学生を指導していると気になることがあります。
毎年、1年生になっても時計が読めない子どもが必ず何人かいるのです。プリントで初めて時計を見て「何時何分ですか」の問題に答えられない。学校でも休み時間に校庭の時計を見て「そろそろトイレに行って教室に戻ろうかな」と計画的に行動が出来ません。どうしてこんな風になってしまったのでしょうか。
ズバリ!家庭環境がちょっとまずい!次の①②はやめましょう。
①数字だけの書いてあるデジタル時計を置いてある
②針のついたアナログ時計はあるが会話がない
①デジタル時計のデメリット
時計が読めることは、時刻を言えることではなく時間経過が体の感覚でわかることです。
私は授業で子ども達に目をつぶらせて「1分たったら手を挙げましょう」と実験することがありますが時間が体の感覚で分かっている子どもはほぼ正確に手を挙げますが、時間を意識していない生活を送っている子どもは10秒で手を挙げたり、反対にずっと目をつむったままです。
算数の文書題で“8時40分に家を出ました。30分後に学校に到着しました。到着時刻は何時何分でしょう”といったものがありますが頭の中で針を動かす生活習慣がある子どもがさっと答えられます。でもチンプンカンプンの子どもは次のように筆算を指導します。
でも時計は十進法でなく六十進法、60で繰り上がるところでまた躓き八方ふさがりです。
8時40分
+ 30分
8時70分....60を繰り上げて
答え 9時10分
数字だけが書いてあるデジタル時計はNGです。数字を読んで「8時30分!」と言えても時間の概念を理解している訳ではありません。
“数字だけを読んでいればいいのでデジタル時計で十分!”と言うのは、まるで“計算機という便利なものがあるから計算なんて出来なくたっていい!”“将来は自動翻訳機をみんな携帯する時代になるから英語なんで話せなくたっていい!”と言っているのと同じです。
買い物するのにいちいち計算機を出すのも面倒で恥ずかしいですよね。頭の中で概算(だいたい幾らかかるか)がわかることで生活の質も上がります。英語だってダイレクトに相手と会話をするところに人間同士のコミュニケーションの楽しさを見出せます。
これに対して針のついたアナログ時計は時間経過が視覚的にわかるのでこれに変えましょう。できれば時刻が1~12まで書いてある時計にしましょう。
便利な道具は人間の頭を退化させてしまいます。体重計もキッチンのスケールも体内年齢や骨密度など最新式の数字が出るものではなく昔ながらの針が動くタイプがよいでしょう。
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2024/12/03 更新