ママの出勤時刻よりも遅く子どもが登校する、午後3時には帰ってくる、長い夏休み、45分間午後まで勉強が続くなど天地がひっくり返るくらい大きな環境変化がある小学校入学。この壁を乗り越えるにはどうしたらよいのでしょうか。
4月にピカピカの一年生になるママへ、“小1の壁”っていう言葉を聞いたことがありますか?それぞれ違う意味がありますが、どちらも乗り越えなくてはならない壁です。
そこで『1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話します。
■小学校は勉強して学力をつけるところ
●授業時間は1コマ45分
あなたのお子さんは45分椅子に座っていられますか?でも、実は小学校は一コマ45分の授業が一日、4コマも5コマも続くのです。
もし、通わせている幼稚園、保育園が自由伸び伸び方針で、「先生が話をしているときもウロウロしていてもOKよ。手遊びしているときも園庭で遊びたかったらそれもOKよ」なんて園に通わせていたら幼児期はそれでも良くても、入学後子どもが途惑います。
それに小学校は幼稚園のように楽しく歌を歌ったり、先生が盛んに手遊びしてくれるわけではありません。どんな担任に当たるかはわかりません。たとえ退屈な授業であっても、ある一定時間、定位置に座っている練習が幼児期から必要なのかもしれませんね。
更に家庭でも食事中立ち歩きを許していたり椅子に一定時間、座る習慣が付いていなかった場合、当然、小学校でもジッとはしていられません。
これが集団行動がとれない、椅子に座っていられない、先生の話を聞けないなど小1プロブレムとも呼ばれているものですね。子どももこれでは困りますし、これで学校側も大変苦労しているようです。
●家庭で机に向かって5分間、学習する習慣をつけておく
入学したら担任にもよりますが宿題があります。これは学校で新しい知識を学んできたことをしっかり学力として定着させるためのものです。授業でわかったような気がしてもそれはその時だけのこと。家に帰ってから“再生的学習”を毎日しなくては残念ながら学力としては身に付かないのです。
さらに家庭学習は“10分×学年”と言われています。
・1年生だったら10分
・2年生だったら20分
・3年生は30分
もし、幼児期に1分間さえ机に向かう習慣がない子どもに、いきなり「今日から小学生なんだから10分間机に向かってお勉強しましょう」と要求してもそれは無理なこと。だったら1年生の半分の時間、年長さんだったら5分は机に向かう習慣を今から練習させてみてはどうでしょうか。
■小1ショックあれこれ
●連絡帳にあれこれ書いてくれない
保育園には連絡帳があり昼間どんな風に過ごしていたか、文章にして担任が書いてくれます。またお迎えに行ったときに口頭で聞くことが出来ます。
ところが、小学校にはそんなものがありません。親が学校に出向く機会は行事や個人面談以外は特になく、様子を伺い知ることは出来ません。
子どもに「何をしてきたの?どうだったの?」と聞いても「別に~」とか「普通だった~」と面倒くさそうに答えたり、また喋ってくれたとしても子どもの言うことをどこまで真に受けていいのかよくわからない状態になることもあります。
●春休みどうする?
保育園は3月31日で終わってしまいます。どんなに懇願しても預かってはくれません。ママは4月1日も会社に行かなくてはなりません。
ところが、入学式は4月1日に行われることはありません。仮に4月10日だった場合、4月になって1週間以上、行く場所がなくなります。
まさか親がいない日中、8時~18時くらいまでの長時間一人で留守番をさせておくわけにもいきませんよね。
学童クラブというものがあります。自治体により申し込み方法や運営は違いますが小学生の放課後を見てくれる場所があります。早めに手続きしておきましょう。
ちなみに私の住む世田谷区の場合は全ての公立小学校内にこれが併設されていて就労証明書を提出し手続きをしておけば6時まで夏休みも土曜日も預かってくれます。もちろんまだ入学式を終えていなくても見てくれます。
たとえ私立の小学校に通う場合もその小学校に通っていなくても住民票があれば受け入れてくれます。私の息子は障害児ですので都立の特別支援学校に入学予定でしたが、やはり入学式まではそこには行けませんでしたので、入学予定ではない近くの小学校の学童クラブを春休み期間中は利用していました。
●子どもよりママが先に出勤?
保育園は7時くらいから開いていますが、小学校は8時前後。「8時~8時15分の間に登校してください」と制限をかけられたりします。そうなると、ママは出社時刻に合わせて子どもより先に家を出なくてはならないことも起こります。
●働くママだけでなないことを思い知らされる
保育園に通っていると周りのママはみんな働いているものという感覚を子どもも親も持っているものですが、小学校に入学するとまだまだ子どもが低学年にうちは家にいるママが多くいるのに気が付いたりします。
そして、働いているいないに関わらずPTA役員も学校行事の手伝いもしなくてはなりません。学用品も「来週までに墨と筆を持ってきてください。鍵盤ハーモニカのホースをご準備くだささい」と連絡がきて、忙しい合間を縫って揃えることになります。
■まとめ
この壁は誰しも乗りこえなくてはなりません。小学校は保育園とは違います。でもママが働き方が変わるわけではありません。根本解決はなかなか難しいものですが時が経てばだんだん親も子どもも慣れてくるものです。
ただし、3月の間に学童クラブ、祖父母、近所の人など預け先を確保したり、既に同じ小学校に通わせている先輩のワーキングマザーに聞き取りするなどの事前準備は必要かもしれませんね。
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2024/11/20 更新