大学入試の英語の勉強をしていると、よく目にするのが「that」というものです。これはとてもよく見かける反面、1つ1つ用法が異なっているため、いったい何のthatなのかが非常に分かりにくく見えてしまいます。
しかし、1度整理してしまえば、thatはそこまで難しいものではなく、覚えやすいものでもあります。では、1つ1つ整理していきましょう、
<代名詞の働きをする>
もちろん中学1年生で学習している「あれ」を意味するthatですね。これについてはさほど問題はないでしょう。
<名詞のカタマリを作るthat>
中学の時に「I think that he is a student.」といった文を見たことはありませんか?
中学ではよく学習するthink thatとかsay thatのthatは「名詞のカタマリを作る」働きを持っています。意味としては「~ということ」ですね。これには3種類あります。
①主語のカタマリを作る場合
That he is a student is surprising.
(彼が学生だということはびっくりだ)
この場合、Thatからstudentまでが主語のカタマリですね。
②目的語のカタマリを作る場合
I think that he is a student.
(私は彼が学生だと思います)
これは例でも挙げた通りですね。thatからstudentまでが目的語のカタマリになります。
③補語のカタマリを作る場合
The fact is that he is a student.
(実は彼は学生なんです)
be動詞の後ろに来るのは目的語ではなく補語ですから。このthatからstudentは補語のカタマリと言えます。
<関係代名詞thatと同格thatの識別>
これは入試でもよく出されるテーマです。中学3年生で学習する関係代名詞と、高校になってから学習する同格のthatについての識別問題です。
まずは例題を見てみましょう。
① I don’t know the fact that he is a student.
② I don’t know the fact that he told me.
この2つの文の違いは一体何でしょうか?
答えは「thatの後ろが完全な文になっているか、不完全な文になっているか」ということです。
例えば「he is a student.」という文は「欠けている要素」はありませんよね?このような文を「完全文」と呼びます。
それに対して「he told me.」は「彼に“何を”伝えたのか」が分かりませんから、「不完全文」と呼びます。
さて、その前提で話を進めていきましょう。 ポイントは「that + 完全文」は「同格」、「that + 不完全文」は「関係代名詞」と覚えてください。同格は「~という」と訳してください。関係代名詞は「後ろから前」に訳します。
よって①は「私は彼が学生だという事実を知らない」、②は「私は彼が私に言った事実を知らない」と訳すことになります。
<形式主語構文と強調構文の識別>
よく英語の文で見かけるものに「It is ~ that ・・・」という形のものがあります。訳はどちらも「・・・なのは~だ」となるため、どれも同じに見えてしまいますが、実はこれは微妙な違いがあるので、注意が必要になります。
これを確実に識別するためには強調構文の特徴を頭に入れておくことが非常に効果的です。
強調構文(It is ~ that ・・・)の特徴
①It isとthatを取り除いて、意味の通る文に並び替えることができる。
②形容詞や動詞は「~」には置けない。
これだけはしっかり覚えておきましょう。では、次の文は強調構文でしょうか、そうではないでしょうか?
(例題1)
It is because I don’t like dogs that I don’t have them.
(例題2)
It is surprising that he passed the exam.
いかがでしょうか?例題1はIt isとthatを除くと、「Because I don’t like dogs, I don’t have them.」(私は犬が好きではないので、犬を飼わない)となり、意味が通りますね?よってこれは強調構文と言えます。
一方、例題2はIt isとthatを除くと、surprising he passed the examとなり、これをどう並び替えても意味の通る文にはなりませんね?ですから、これは強調構文ではなく、形式主語構文となります。
<最後に>
さて、いろいろなthatについてまとめていきましたが、理解していただけたでしょうか?thatは簡単なようでいて、実は難しいものですので、1つずつ頭の中で整理しながら進めていきましょう。
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2024/11/21 更新