教育[725]

子どもの豊かな情動感情の発達のために知っておきたいこと

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執筆者:中田 雅敏
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子どもはこの三つの情動を成長するに従って身に付けていきます。また、身に付けた上で他者との関係性を築いていきます。この発達は家族、家庭の中で育ち、身に付きます。つまり、兄弟姉妹が多いほどこれら三つの情動感情への働きかけが多くなり、豊かに発達するということです。

一人っ子の場合は親と子の関わりが主ですから、人間と人間の関わりよりも、親からの一方的な働きかけが多くなります。これが過保護、過期待、過剰指示などになっていきます。子どもから親への働きかけは生後一年目の後半から二年目の前半にかけて活発になるようです。

この時期に第二子の妊娠や出産があると、子どもは嫉妬や甘えの行動が表れるようです。例えば、誰か見知らぬ人が自分に近づいてきたときに、母親の顔を見て、母親のその人に対する反応が微笑のような肯定的な情動反応であれば子どもも温かく迎え入れることができます。

また、母親の反応が恐れや嫌悪のようであれば、その人から逃れようともします。こうして考えると、一人っ子の場合は親が肯定的に人に対しているか、他者の苦痛や悲しみに対して共感したり、思いやりの心を持って対しているかによって、子どもの三つの情動側面の豊かさが変わるということです。「親の悪影響」とは親自身の「思いやり」「共感」の欠如や、他者の立場に立った対人関係の誤りによって、子どもの飛躍的な情動感情の広がりと深まりにブレーキをかけてしまうということです。

特に一人っ子の場合は親の豊かな働きかけがより必要であると同時に、子どもはやはり多いのが望ましくもありますね。

虐待されて育った子どもの中には、情動の表出や理解の両側面に難を示す子も少なくないと言われています。

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教育総合ランキング2024/11/24 更新

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