教育[725]

過保護・過干渉・依存してしまう親への子離れをする方法

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執筆者:立石 美津子

生まれたばかりの赤ちゃんはとても無力です。

人は「生理的早産」「子宮外胎児」と言われるように馬や象の赤ちゃんのように生まれた直後から座ることも立つことさえできません。人の子は生後1年間は親の庇護なくては自分の力で移動することも食事をとることもできません。

未熟な状態で産まれるからこそ多くの可能性、可塑性に富んだ存在であることを唄った言葉です。

ですから、人の子は小さい頃はうんと甘えさせ、周りの大人がずっと関わることが必要になります。小さいうちから「自立!自立!」と叫ばないこと。

母親の仕事のためではなく、社会性を育てるのを目的に保育園に入れようとする人がいますがそれは少し違うと思います。母(=必ずしも母でなくてもよい。特定の養育者)による愛着形成をまずする時期なのです。

愛情をかけられないで育った子どもは不安感が植えつけられます。

泣いた時に抱っこされない、おっぱい欲しくて泣いているのにもらえない。遊んで欲しいと望んでいるのに「忙しいから後にして」といつも邪険にされる。「この世は信じらない敵で一杯」とインプットされてしまいます。不安で一杯なので挑戦意欲も冒険心も芽生えません。

子どもが小学生になっても自分の所有物のように思い、養護し過保護、過干渉を続けることはよくありません。

この間まで「ママ~ママ~」と金魚の糞のように付いてきた我が子が親が知らないところで友達関係を築き、様々な経験を積んでいく。親としてちょぴり寂しい気持ちを持ってしまいます。そうなると「永遠の赤ちゃんでいて~ママのそばにいて~」と縫ぐるみ、ペットのように身勝手なことを思ったりします。

でも、これでは自立は出来ません。

さて、子どもへの依存から親が離れる方法をいくつか考えてみました。

①子育てを趣味にしない

「子どもを育てることが趣味。子どもの成長だけが私の生き甲斐」と思わないことも大切です。

お母さん自身が子育て以外の世界を持つこと。子どもが小学生になったら子どもだけ中心の生活をそろそろ卒業してみませんか。何も仕事でなくてもいいです。習い事でもスポーツでも何でもいいのです。

子どもがいい学校に入学することだけが親自身の自己実現に陥ってしまう危険。子どもがもう中学生になろうとしているのに「うちには受験生がいるから」と生活の流れを全て中心にする。

子どもが頑張って受験勉強しているのに「あたしが友達と旅行に行ったり飲みに行ったりしてはならない」なんて思わないことです。

すべてを犠牲にしている母親の姿を見て子どもは「ママは僕のためにやりたいこともやっていない。もし不合格になったらどうしよう」と大変なストレスを感じていることでしょう。いつかどこかで爆発します。

②偉人の母の真似をしない

千円札の肖像にもなっている野口英世、黄熱病の発見をした細菌学者 母「シカ」に対する親孝行、息子のためだけに生きた母の話は美談。

けれども、誰でも偉人になる訳ではありません。 遺伝的に素質がない場合も多々・・・ 子どもの出世だけが自分の価値、ブランド力につながる。 こうやって呪縛が始まります。

子どもは自分と違うDNAを持った別人格。子どもには子どもの人生があると思うことです。

いい大学に入った、仕事に成功した、そんな目に見える結果でなくても「生まれて来てくれてありがとう」それだけで十分満足しましょう。目に見える結果を求めて偉人の母の真似をしないことですね。偉人にならなくても結果がでなくてもかけがえのない我が子なのですから。

子どもの年齢に応じて、関わり方に変化を持たせていきましょう。

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