親は子どもにその行動を変えてほしくて、ついこんな言葉を口にします。
子どもは怖いから、しょんぼりして、あるいはいやいや、親の言う通りにするかもしれませんが、怒る方も怒られる方も、あまり後味がいいものではありません。
子どもが学校に行ってから、あんな言い方をしなければよかった…と後悔することもあるのではないでしょうか。
また子どもが小さい頃は大声で怖く言えば、言うことを聞くかもしれませんが、大きくなるにつれ効き目が薄れ、ますますボルテージが上がってしまう、ということもあるでしょう。
子どもが協力的に行動を変え、親も子もいやな思いにならず、そして年齢に関係なく効果がある、というのはどんな言い方なのでしょうか。
そのためには、子どもの言動にイラッときたとき、まずは子どものどの行動がいやだったのか、そこを見るところがスタートです。
「8時までにご飯を食べ終わらない」「(疲れている時に)膝の上にのってくる」こんなふうに《子どもの行動》をとらえます。
ここで大事なのは、「ぐずぐずしてる」とか「調子に乗っている」とかではなく、目に見える、耳に聞こえる事実をとらえること。
行動がとらえられたら、その行動によって自分にどんな影響があるか、たとえば「出かける前に片づけができない」「帰宅してからお皿を洗うことになる 」「ゆっくりくつろげない」「寝る時間が遅くなる」など、《自分への影響》を具体的に見ていきます。
さらにもう1つ伝えるのが、その影響からくる《自分の感情》です。
「出かける前に後片付けができない」「ゆっくりくつろげない」という影響に対してどんな気持ちがするでしょうか?
ここでは、困る、焦る、悲しい、がっかりする、つらい、など正直な自分の気持ちに目を向けていきます。