私たちが主宰する塾の各教室では、年3回、会員保護者の方々全員と「学習相談会」、いわゆる保護者面談を行っています。お子さんの学習の進捗状況をお伝えするのが一番の目的ですが、家や学校での様子を教えていただき、教室での指導の参考にもさせていただいております。
5~6月の最初の相談会で時々話題になるのが「五月病」です。「うちの子、最近家でダラダラして・・・」と話が始まります。
「五月病」というと「気合が足りない!」という精神論に陥りがちですが、これは今までの緊張感からくるストレスや、このままやっていけるだろうか?という不安や焦りが症状としてあらわれる軽い精神疾患であると言われています。
4月になって環境が新しくなり、当初は期待感や緊張感から「やる気」を見せていた子どもたちが、ゴールデンウィークを過ぎた頃から突然無気力になり、最悪の場合は登校拒否やうつ病になることもあります。
特に新1年生の子に多く、表向きは元気に頑張っているように見えても、実は今までの環境との大きなギャップに心身がついていかず、大きなストレスになっているのです。
相談会では「五月病」を乗り越えるために、「まずお子さんの話を聞いてあげてください」とお願いしています。大きなストレスとなって子どもが「内側」に抱えているものを「外側」へ出してあげるためです。
このとき、「それはちがう」とか「それはダメ」「こうしなさい」などのアドバイスをしないことがポイントです。まして「私があなたの頃には・・・」などの武勇伝を話すのは厳禁です。
お子さんの目を見て、最初から最後まで話を聞いてあげることで、お子さんの顔はすっきりと癒された感じになるはずです。「話す」ことは、内側に抱えているストレスを外に「放す」ことにつながります。