[社会保障]【介護保険⑥】介護保険の財源構成についてわかりやすく解説

【介護保険⑥】介護保険の財源構成についてわかりやすく解説

2015/01/23

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高齢者の介護を支える介護保険

要介護や要支援の認定を受けた介護保険の被保険者が介護サービスや介護予防サービスを利用した場合、その費用の90%は保険者が負担します。ですから、利用者は10%のみを負担します。
 
例えば、デイサービスを1日利用した場合、介護保険がなかったとしたら、約9,300円の料金がかかります。しかし、介護保険があるおかげで、実際に利用者が支払う額は約930円で済みます。このため、介護サービスの利用が大変受けやすくなっています。
 

介護保険の介護費用はどう賄われるか

このように、要介護認定などを受けた被保険者が介護サービスを利用すれば、その費用の90%は保険者(市町村)が負担することになるのですが、そのお金はいったいどこから出ているのかについて考えてみます。
 
介護保険の保険給付、すなわち、介護サービスや予防サービスの利用にかかる費用の90%については、その50%が保険料、残りの50%が税金から支払われます、保険料とは、65歳以上の第1号被保険者と40歳以上65歳未満の第2号被保険者から徴収する介護保険料のことをいいます。
 

介護保険の保険給付の50%を賄う保険料

なお、費用の50%を保険料が負担するといいましたが、この50%は、第1号被保険者からの保険料で賄われる部分が21%、第2号被保険者から賄われる部分が29%に分割されます(平成23年度)。この分割比は、第1号被保険者と第2号被保険者の人口比に基いて定まります。
 

介護保険の給付の残り50%の負担について

一方、費用の残り半分の50%は税金から支払われます。この税金からの支払も、国が負担する部分が20%、都道府県が負担する分が12.5%、市町村が負担する部分が12.5%、調整交付金が5%と4つに分割されます。
 

調整交付金について

最後の調整交付金とは、介護保険は各市町村が運営しますが、各市町村の保険料は、その市町村の要介護認定率の高い後期高齢者の人口構成割合や、第1号被保険者の所得水準の分布状況によって異なります。
 
要介護認定者の割合が高い後期高齢者の人口構成割合が高い市町村では、そうでない市町村に比べて、介護保険料がどうしても高くなります。また、所得が全く同じ第1号被保険者でも、他の第1号被保険者に所得が低い者が多い市町村と、そうでない市町村では、周りに所得が低い者が多い市町村の方が、保険料が高くなります。
 
このような理由で、自然の状態では、後期高齢者の割合や第1号被保険者の所得の分布状況により各市町村で介護保険料にばらつきが生じます。これを補正するために、後期高齢者が少なく低所得の高齢者が少ない市町村には支給せず、反対に、後期高齢者が多く低所得の高齢者の多い市町村には多く交付お金が調整交付金です。
 
調整交付金は、国が支給します。ほおっておいても介護保険料が全国平均以下になるような市町村には交付されません。一方、ほおっておけば介護保険料が全国平均を大幅に上回るような市町村には、その市町村の介護等給付費総額の15%も支給される場合があります。平均では、調整交付金の割合は5%となります。
 

介護保険は社会全体で高齢者を支える仕組み

このように、介護保険の保険給付に係る費用については、65歳以上の第1号被保険者、40歳以上65歳未満の医療保険加入者で構成される第2号被保険者、国、都道府県、市町村が、それぞれお金を出し合って賄われています。そして、このことが、介護保険が高齢者の介護を社会全体で支える仕組みであることの所以となっています。

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