中学では関係代名詞は「who」「whom」「which」「that」あたりを覚えただけ、という人が多いのではないでしょうか?
中でも、thatはとても便利に使うことができましたね?しかし、高校ではこのthatがいきなり厄介な存在へと変貌を遂げます。では、どのように難しくなるのでしょうか?
<thatの方を用いた方が良い場合>
中学では「先行詞が人ならwho」「先行詞が人以外ならwhich」「thatはいつでも使える」とありましたが、今回は「thatの方を用いた方が良い場合」をいくつかご紹介いたします。
①先行詞に「ある語」がついている場合
先行詞に「最初・最後・最も・同じ・まさに・唯一」がついている場合は、関係詞はなるべくthatを用いるように心がけましょう。
つまり、「first・last・最上級・same・very・only」が先行詞にくっついていた場合は、thatを選ぼう、ということですね。
また、「all・every・no・any」も同様ですが、こちらは「ゼンマイの絵にthat」と覚えてしまいましょう。「ゼン(全)・マイ(毎)・の・絵に」と言えば分かりますよね?
(例文)
This is the longest bridge that I have ever seen.
②先行詞が「人+人以外」の場合
先行詞が人でもなく人以外でもなく、人+人以外(例えばa boy and a dogなど)もthatを用いるようにしましょう。
これは理由を考えてみれば簡単です。人ならwhoやwhom、人以外ならwhich、しかし人+人以外ではどちらにしてよいか迷ってしまいますよね。ですから間を取ってthatにする、というわけです。
(例文)
Look at the boy and the dog that are running over there!
③疑問詞が先行詞の場合
これはなかなかなじみのないものですが、実は先行詞は「WhatやWho」にもなることができるのです。
(例文)
Who that has seen the Pyramids can forget their beauty?
訳してみるなら「ピラミッドを見たことのある人で、誰がその美しさを忘れることができるだろうか」です。
この文の先行詞はWhoですが、先行詞が人だからといって「who」にしてしまうと、「Who who~」となり、おかしな形になってしまいますよね?ですから、紛らわしくならないようにという意味でthatにするのです。
④先行詞を後ろに戻した時、「補語」の働きをする場合
例えば、関係代名詞で「先行詞が人で、後ろに戻して主語の働きをする場合はwho」「目的語の働きをする場合はwhom」となりましたが、「補語の働きをする場合は?」と聞かれても中学では習ってませんよね?ですので、ここでやっていきましょう。
(例文)
I know the boy who can run fast.
(the boyを後ろに戻すとcanの主語になる)
(例文)
I know the boy whom Mary likes.
(the boyを後ろに戻すとlikesの目的語になる)
(例文)
I know the boy whose mother is a teacher.
(the boyを後ろに戻すと所有格になる)
これらは中学でもやりましたが、これはどうでしょう?
(例文)
He is not the boy ( ) he was ten years ago.
(彼は十年前の少年ではない)
the boyを後ろに戻すとwasの後ろ(つまり補語)になりますよね?この場合は、whoもwhomもwhoseも使うことができません。thatを使うしかありません。
とても間違いやすいポイントなのでしっかり押さえておきましょう。
<非制限用法>
まずは、この2つの文の違いを見てください。
(例文)
He has two sons who work for the bank.
(例文)
He has two sons, who work for the bank.
基本的には言っていることはそんなに変わりませんが、微妙な違いはあります。
例えば、上のバージョンは中学でよくやるパターンですが、関係代名詞を訳す際には「後ろから前」に向かって訳しましたよね?つまり「彼にはその銀行に勤める2人の息子がいる」となりました。
「その銀行に勤める2人の息子」ということは、他にも息子がいる(もしくはいる可能性)ことを示唆しています。
それに対して下の文は、「,」で区切られていますね?これは、いったんそこで文が切れることを意味しています。
よって「彼には2人の息子がいる。その息子たちはその銀行に勤めている」となり、「2人の息子がいる」で区切っているわけですから、それ以上は息子はいないということになります。
このように「,」で区切られているものを「非制限用法」と呼びます。この用法においては「thatは使ってはならない」という厳格なルールが存在します。
上記でやった「thatの方が良い」とは真逆の考えですね。ここが関係詞の紛らわしい所です。
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2024/11/24 更新