雇用保険の受給手続きについて考えてみます。まず、雇用保険の被保険者であった方が会社を離職した場合、会社から離職票が送られてきます。
会社から離職者に送られてくる離職票は2種類あります。1つは離職票-Ⅰです。これは、雇用保険被保険者資格喪失確認通知書(被保険者交付用)のことで、会社が雇用保険被保険者の離職に伴いハローワークに提出した被保険者資格喪失届を受け、ハローワークが被保険者の資格喪失を確認したこと証する書面です。
2つ目は、離職票-Ⅱです。これは、雇用保険の被保険者が会社を離職した場合に、会社がハローワークに提出する離職証明書の3枚目です。ちなみに、離職証明書は3枚複写で、1枚目は事業主控え、2枚目がハローワーク控え、3枚目が離職者交付用です。
なお、この離職票-Ⅱには、離職者の過去の勤務状況や賃金の状況、離職の理由などが記載されており、これに基づき、求職者給付の受給資格の有無や、求職者給付の金額、受給期間などが判断されます。
会社から離職票-Ⅰと離職票-Ⅱの交付を受けたら、この離職票と、運転免許証やなど身分証明書、印鑑、写真(縦3㎝×横2.5㎝)、本人名義の預金通帳を持って、住所地のハローワークへ行きます。
ハローワークに出かけた際には、まず最初に、求職の申込みを行います。雇用保険から支給される求職者給付金は、離職者が再就職先を探す期間の生活費の保証として支払われます。ですから、離職者が再就職する意思も能力もない場合には、求職者給付は支給されません。
ですから、求職者給付金を受給するためには、再就職先を探すという意思と能力を表示しなくてはなりません。この再就職への意思と能力の表示がハローワークへの求職の申込みとなります。
求職の申込みが終わったら、その次に、離職票を提出します。ハローワークでは、この離職票から、受給要件を満たしているかどうかを確認し、受給要件を満たしていると判断した場合には、受給資格の決定を行います。
受給資格の決定がされますと、雇用保険初回説明会の日時が伝えられます。その日時にハローワークへ行き、説明会に参加します。説明会では、雇用保険の受給に関して必要な事項を説明すると共に、雇用保険受給資格者証と失業認定申告書を交付します。そして、第1回の失業認定日が提示されます。
求職者給付金は、4週間ごとに1回の失業認定日に、認定日前の28日の間に失業していると認定された日について、その日数に基本手当の日額を乗じた額が支給されます。なお、基本手当の日額とは、受給資格者の離職日以前6ヶ月間に受けた賃金を180で割って得た賃金日額に年齢や賃金日額の額により45%~80%を乗じた金額のことです。
また、失業の認定のためには、認定日前28日間に2回以上、ハローワークの就職相談に参加するなど、求職活動を行わなくてはなりません。その期間に2回以上の求職活動を行わない場合には、28日のすべてについて失業の認定が行われず、その期間の失業給付は受けられません。
求職者給付は、受給資格者の年齢、被保険者であった期間、離職の理由から、原則として90日から330日支給されます。この日数を所定給付日数と言います。再就職が決まらない限り、4週間に1回の失業の認定日による失業の認定を繰り返すことにより、所定給付日数が0になるまで、求職者給付の受給ができます。