結果、インシデントで済めばよいのですが、実際にアクシデントに発展する場合があります。患者の容態の悪化や、あるいは執刀でのアクシデントは、医師が責任を持ちます。が、医師の知らないところで看護師が誤った判断を行うと、臨床に立ち会った関係者の証言がばらばらになりやすいのです。
結果として、医師個人や病院が訴訟の対象とされ、数億円という損害賠償の支払いを求められることも少なくないのです。
そこで、勤務医の場合は「医師賠償責任保険」に加入するケースが増えています。これは民間の損害保険会社の1年更新の保険です。もし患者から賠償責任を訴求された際は、1事故で最高2億円、保険期間内で計6億円の示談金が用意されます。
それだけではなく、医療事故は医療に精通した弁護士が対応するため、安心なのです。
また、最近はモンペ対策も急務です。モンペは農家女子の腰巻ではなく、モンスターペイシェントの略。モンスターペアレント同様、クレームや脅迫行為で医療行為を妨害します。医師はインシデント、アクシデント、そしてモンペ対策に保険をフル活用する時代なのです。