新規の住宅ローンと借換えの住宅ローンのどちらが借りるのが難しいか、といえば「借換え住宅ローン」の方なのです。
既存の住宅ローンを借りた日から経過した時間と返済の実績が、借換えを簡単にもし、また難しくもします。
1.安定継続した収入が今後も見込めるかどうか。
既存ローンを借りたあと、転職、転籍、退職などで収入が下がり、返済負担率をクリアーできない状況であると借換えは難しいです。仮に収入が上昇した転職であっても、就職後3年以内であれば収入の継続性は審査されますし、転退職がなくても勤務先が社名変更した場合は、その証明書類の提出が必要となります。
2.団信(※)に加入できるかどうか
既存ローン返済中に健康状態が悪化し、借換え住宅ローンの団信に加入できなければ、借換えはできません。団信加入は必須です。(※住宅金融支援機構のフラット35借換融資は非団信の取り扱いあり。)
3.延滞実績はないか、過去1年間の返済に遅滞がないか。
この条件をHPでは公開していない金融機関も多いのですが、「既存住宅ローンが正常に返済されているか。」は意外に審査の厳しい項目です。
直近1年間の返済状況は、返済口座の通帳の写し、もしくは1年間の取引明細書(ともに原本確認あり)で確認します。月越えの延滞、複数月にわたる延滞は論外ですし、1日たりとも返済に遅延がないかチェックされると考えた方がいいでしょう。
金融機関がここまで厳しくチェックする理由は、「返済にリスクある債権(住宅ローン債権)は極力避けたい」と考えるからです。長く続く低金利競争で住宅ローンは薄利商品化。金融機関にとっては「安全に回収できて、世帯のメインバンク化が可能な住宅ローンが欲しい。」と、いうのが実情です。
まして借換え住宅ローンは、金利差目的にその金融機関ではじめて通帳をつくる、というお客様も多いのです。「警戒心をもって審査」は仕方ないことかもしれません。
住宅ローン、借換え住宅ローンともに「今が借り時。」と言われていますが、
確実に借換えメリットが得られそうな既存住宅ローンがあるにもかかわらず、未だ借換えがなされていない案件については「何か借換えられない理由があるな。」と、考えてみた方がよさそうです。
※団体信用生命保険(「団信」ともいう)
住宅ローンの返済中にローン契約者が死亡または高度障害になった場合、本人に代わって生命保険会社がその時点の住宅ローン残高に相当する保険金を債権者に支払い、ローンが完済になる制度