教育[725]

【子育て】できないことに挑戦させすぎていませんか?

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執筆者:立石 美津子

泳げない、時計が読めない、縄跳びができない、鉄棒で逆上がりができない。子どもって出来ないことが沢山ありますよね。また、親になると自然に期待値も高くなるので、わが子の出来ていない点ばかりが気になってしまうものです。

でも、少しでも取得させるにはどうすればよいのでしょうか。

(C)今泉久恵

今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子がお話しします。

■スモールステップが大事です

富士山の頂上を指して「あそこまで登りなさい」と言われたら登山が好き、運動することが好きでなければ「しんどいなあ、遠いなあ」と思ってしまいますよね。

でも、「あそこの木までまず歩こう」。そこまで到達したら「今度はあそこの岩まで行ってみよう」としているうちにどんどん頂上に近づいて行きます。出来る目標から与えられると、なんとかこなせますね。。

■時計がよめない子

時計が読めない子どもに”9時10分“を差して「今、何時か言いなさい」としたり「9時10分から30分たったら何時何分になるでしょう」の問題(小学2年生の算数の問題)をいきなりやらせてもダメです。

まず、「1時、2時、3時、4時・・・」がわかるようになってからこれらを理解することが出来ます。

これもお勉強的にプリントで与えるのではなく、実物の時計を指さしながら「3時になったらおやつにしようね」と実体験をさせることがポイントです。

■泳げない子

全く泳げない子がいます。水に顔を付けることだけで恐怖を感じています。そんな子どもをプールに連れて行き「泳げるようになりなさい」と特訓してもますます恐怖心が高まり嫌がるだけですよね。

これもまずスモールステップです。水の中に浸かって遊んでいるだけでよしとしましょう。そうしているうちに水が顔にかかったり少し水中に潜ったりします。すると、次第に抵抗がなくなります。この段階になって泳ぎ方を教えると「やってみようかな」の気持ちになります。

■ボーリング

最近のボーリング場は小さい子どものためにガーターレスレーンもあり、どんなに真ん中から反れても転がっていきピンを倒してくれます。

ところがあるパパが「こんな柵があったら真っすぐに投げようと意識しなくなるから、大人と同じようにやらせる」と張り切って子どもに特訓していました。けれども投げても投げても溝に入ってしまい失敗続き。子どもは「ボーリング場には絶対に行かない!」と言い出す始末でした。

■出来ないことをやらせていませんか

能力とかけ離れたことに果敢に挑戦させてもやる気は起こりません。出来ないことをやらおいて「どうして時計が読めないんだ!」「どうして皆みたいに泳げないんだ!」「どうして真っすぐに玉を投げられないんだ!」と言い続けていると、たかが、それらができないだけのことなのに、子どもは自信を失い「僕は何をやってもダメな人間だ」と思うようになってしまいます。

■出来る状態にしておいてからやらせる

“出来る状態”にしておいてからやらせましょう。

(時計)
大好きなおやつの時刻の“3時”、寝る時刻の“9時”がわかるようになってから“1時、2時・・・”と教える、次に“○時○分”に進む。

(水泳)
水遊びをして水に馴染ませる

(ボーリング)
ガーターをふさいで溝なしで転がして楽しませる。

成功体験を積むと嬉しくなり次への挑戦意欲が湧くので結果的に最初できなかったことをマスターする力がついていくのです。“急がば回れ”ですよ。

■まとめ

勉強、スポーツだけでなく着替え、歯磨き、食事のマナーなど身辺自立の躾などあらゆる面でも同じことが言えます。子どもがなかなかやる気を出してくれないとき“親が与えているハードルが高すぎないか”ちょっと振り返ってみましょうね。

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