教育[725]

いじめられない生き方はできるのか

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執筆者:中田 雅敏

いじめられている子どもの中には、「いじめられている原因は自分にあるのでは」と考えている子どももいる。

そういう子どもは、おおかた自分の弱点や欠点を自分で気づいていることが多く、それをいつも思っているので、いじめの対象になってしまうことが多々ある。

なぜなら、それが体育などの場合はひっこみ思案となり、いつも最後になったりする。図画や工作の場合は、いつも頭にそういう気があるから上手にできない。発表する場合もおどおどしてしまう。こうした態度を見た他の子どもは、面白がってはやし立てる。やがてそれが日常的になると「いじめ」となってしまう場合が多いようです。

そこで「自分の弱点や欠点を自分で気づいて、自分で直していく」ようにさせましょう。人はだれでもそうした経験を重ねて自己指導能力、自己解決力を身につけていきます。それが生きる能力と勇気と自信になっているわけです。それは素晴らしいことですから、親は子どもが、ひとつでも克服改善できたら誉めてあげましょう。

自分をいじめている相手を憎んだり、恨んだりするのもやむをえないでしょう。しかし、自分の課題は忘れないようにして、何か一つでも自信をもてるようにしてあげましょう。何か得意なものを身につけると、生きていく上での心の支えと気持ちの強さが身につきます。自信をつけさせることが大切です。

今日の「いじめの理由」として第一は男の子の場合は「弱虫、運動ができない、動作がのろい」などがあげられます。女の子との場合は、「遅い、気がまわらない、おどおどしている、引っ込み思案」などがあげられています。

得意なものとして身につけるのは、何も体力、腕力、運動技能に限りません。特定の教科、得意科目、クラブ活動、自分の趣味、など何でも良いから最低ひとつは好きなものをつくり、仲間をつくり、切磋琢磨しながら技能や知識を磨いていくことです。

何か趣味や特技でも良いのです。そのようにして「そのことならば、○○さんに尋ねれば良い」と周囲の者が認めるようになれば、クラスやクラブ活動内でのみんなの見る目や態度が好転していきます。そこまでいかなくとも自分自身の中に気持ちの支えができ、気持ちの「ゆとり」を持てるようになります。それを足場やきっかけとして堂々とふるまうようになれば「いじめから脱出」できます。

家庭では「どんなことを一番やってみたいか」を相談し、何かひとつの目標を設定し、家族みんなで応援してあげることです。しかし無理にやらせてもだめです。本人の納得のうえで、あくまで本人が十分に納得したうえで取り組ませることです。それを自分自身の今後の新しい生活目標にできるようになれば良いでしょう。

本人が目標設定に迷っているときは、ともに考えてあげ、目標設定が妥当かどうかも見届けてあげることも大切です。しかし、親や周囲で押し付けることはやめるべきでしょう。

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教育総合ランキング2024/11/22 更新

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