教育[725]

子どもの考える力を伸ばす接し方

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執筆者:立石 美津子

「人生の荒波を生きていくために子どもにはしっかりと考える力をつけてやりたい」そんな子育ての信念を持って、たった5年か6年の人生経験しかない子どもに無茶をしている人がいます。

「自分で考えなさい」「意見を言いなさい」と子どもに言う親。そして、黙りこくってしまう子ども・・・

“考える力”を育てるのにはどうすればいいのでしょうか?
 
3つのポイントがあります。
 
①アウトプットさせないでインプットする

そもそも“思考する”って何でしょう。そして、何を使って思考するのでしょう。

それはズバリ「言葉」です。
 
人がものを考える時、言葉を駆使して思考しています。正式には脳の中にある内なる言葉 “内言語(ないげんご)”を使って考えています。

まさか2~3歳の子どもに「自分の意見を言いましょう」「作文を書きましょう」とせず、絵本を読んだ後にも「どう思った?」と感想を聞くなどアウトプットさせることに躍起にならないようにしましょう。幼児期は再生よりも録音の時代。

ひたすら “内なる言葉”を豊かにしましょう。内なる言葉なので「うちの子は言葉が遅い、お喋りじゃあない」と声に出す言葉が少なくても心配することはありません。頭の中にさえ入っていればいいのですから。外言語(がいげんご)に囚われず内言語(ないげんご)の録音です。
 
しかし!

「早くしなさい!」「グズグズしないの!」「何度言ったらわかるの!」「やばい!」「超~」「っていうかあ~」のような貧弱なシンプルセンテンスだけが飛び交う家庭環境ではちょっとまずいです。

だからと言って親が豊かな語彙を話そうったって親自身のボキャブラリーが少なかったらハードルが高いですよね。
 
でも一つ解決法があります。絵本の読み聞かせです。絵本には沢山の言葉が詰まっています。(前の記事で書きましたので参考にしてくださいね。【絵本のチカラ】子どもの言葉遣いと親の家での会話
 
絵本を使ってインプットです。

②全部教え込まない

子どもは質問魔。「どうして犬はワンワンって吠えるの?」「桃は動物じゃないのに何で毛が生えているの?」・・・

そんなこと聞かれたってわからない。困ってしまいます。
 
そんな時、親が立派な教師になって全部答える必要はありません。7割答えて後3割は図鑑やネットで子どもと一緒に調べましょう。自分で調べる発見する余地をあえて残しておくのです。
 
そうすると知りたがり屋さんの心に火が付き知的好奇心はドンドン膨らんでいきます。大人が知らない知識も自ら増やしていくことは出来ます。「わからないことは人に聞けばいい」ではなく「自分で調べる」ことを覚えていきます。

③「話せばわかる」と考える

子どもがボールのように蜜柑を投げました。

「何で投げるの!」と直ぐに怒ってはなりません。
 
蜜柑を投げた腕をすこしばかり強めに握り淡々と低い声で「蜜柑はどうするもの?」と聞きしょう。「食べるもの」「デザート」と答えるでしょう。そうしたら「そうだよね、わかっているよね。だったらもう投げるのは止めようね」と言いましょう。自分で出した答えなので今後、投げることはしません。
 
これを“オートクライン効果”と言います。

自分で話した言葉が自分自身に作用すること。人に教えると教わるより身に付くと言われます。
 
ポイントは3点!

①考える材料の語彙をインプットする

②全部教えない

③自分で答えを出させる
 
是非、トライしてみてくださいね!

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