ほめる言葉を改めて見てみましょう。
たとえば「えらいね」「すごいわね」「よくできたね」「いい子ね」など。
これらはすべて主語があなたで《相手》のことについて言っています。
ポイントはそれを《自分》がどう思うのか、主語をわたしに変えて伝えることです。
「他の人がやらない大変な仕事をやり遂げたのね。(わたしは)誇りに思うわ。」
「そんな話が聞けて(わたしは)うれしかったわ。」
もしお母さんがそんなふうに伝えていたら、娘さんとの間に、きっと違う空気が生まれたことでしょう。
親は常に冷静で正しい評価をしなくてはいけない、と思っているかもしれません。けれども子どもは、一人の人間としての親の感情にふれることを歓迎しているように思います。
「助かったよ。ありがとう」「うれしい」「ほっとしたわ」「たのしかったよ」「感動しちゃった!」「しあわせだよ」などなど。
ちょっと照れ臭いかもしれませんが、言わなければ伝わらないのは親子も同じ。子どもに対して肯定的な感情が湧き上がったとき、子どもを評価するのではなく、自分の気持ちに目を向けてみましょう。そして勇気をもって伝えることができたら・・・。子どもは親がもっと身近に、もっと好きになることでしょう。
うそのない心からの思いは人の心を動かす力があります。年度末を迎え、新たな旅立ちへと向かっていくシーズンですね。親子の関係をより暖かいものにする肯定的な気持ちを伝えるメッセージ。そんな飾りのない親からの言葉は、子どもにとって、何より心の支えになるにちがいありません。