そのようなことから「現代の父親のあり方」についての講義が設けられたり、「父親のための料理講座」や「日曜大工講座」、「趣味教室」などが流行しました。しかし誰もが主体性をもって取り組んだわけではありませんでした。どんなことをして時間を潰すかに苦慮してのことでした。
しかしこうしたことを積み重ねていくことで「生きがい」を見出すことができた父親も増えています。続けることが大事なのです。継続は力なりですね。
しかし、男は悲しい生き物なのです。習慣という事象は良いことなのですが仕事に熱中していると生き生きしてくる生き物なのです。
定年退職をしてもスーツを着て鞄を持って家を出て、公園やパチンコ店で時間を過ごし定時に帰宅する、という方も多くいました。役職に就いていた方は、退職をしてもその意識が捨てられず、退職仲間と旅行をしても威厳を損なわないので嫌がられたりしてしまっています。誰かと呑んでも仕事の話の懐古談ばかりで熊さん、八つぁんのような人間付き合いはできません。
執心と放下、熱中と放念、こうした気持ちの持ち方の訓練を日ごろからしておかないといけませんですね。上手に切り替えができることが大事です。
家族のだんらんも、子供とのかかわりもそうした上手な切り替えができる人は上手くいきます。
現代の父親は「存在の切り替え」が上手にできる人間にならなくてはいけないのでしょう。