「中1の壁」という言葉をご存じでしょうか?
小学生から中学生に進級すると、今までの生活がガラリと大きく変化します。その変化について行けず、様々な面において、とりわけ学習面において、周りから遅れをとってしまうことを言います。
なぜ多くの子がこの「中1の壁」にぶつかってしまうのでしょう。ここでは「中1の壁」となる小学校と中学校の違い、その乗り越え方法などをご紹介したいと思います。
小学校の時はよく出来たのに、中学に入学したらガクンと成績が下がってしまったとため息をついている保護者の方は少なくないと思います。 小学校と中学校では、一体なにが違うのでしょうか。
・各教科別の先生
1人の担任が全教科教える小学校と違い、中学校は各教科ごとの先生がいます。合う先生もいれば合わない先生もいるでしょう。これが大きな躓きとなる中1の壁の要因とも言われています。
・英語授業
最近では小学校でも行われている英語の授業ですが、小学校の「英会話」寄りの授業と違い、中学校は「文法」「英単語」「長文読解」など難しくなります。
それでもまだ中1の夏休み前はアルファベットやローマ字など比較的簡単な内容ですが、夏休み明けの2学期からはぐっと難易度もあがり進度も早くなるため、付いていけなくなる子が多くなります。
・定期テスト
小学校では単元が終わるごとに確認テストが行われていましたが、中学になると年4~5回の定期テストになります。そのため1回の試験範囲が長くなり勉強する内容も増えるので、理解する前にテストが来てしまい、理解する前にどんどん次に進んでいってしまう、ということになりかねません。
・部活動
中学から始まる「部活」。これも小学校との大きな違いの1つと言えるでしょう。 中学生活において、勉強と同じくらい部活動も大切なものです。しかし、のんびり小学校生活を送っていた子が中学生になり急に放課後暗くなるまで部活動に励むのです。
最初は慣れるだけで精一杯で、疲れてしまい勉強どころではなく気づいたら机に突っ伏して寝ていた、なんてことも珍しくありません。 おまけに、慣れない先輩後輩の上下関係も気をつかうことでしょう。
このように、勉強も部活も本格的に始まる中学生生活。小学校とのギャップの違いに付いていけない子が続出します。取り分け、夏休みが終わった2学期頃から多くなる傾向があります。
中学に入りぶつかる壁、ではどうしたら壁を乗り越えて充実した楽しい中学生活が送れるのでしょう。
・勉強習慣を身につけよう
毎日勉強する習慣がなくても何とかなっていた小学校とは違い、進度の早い中学校ではきちんと毎日勉強する習慣がないと、あっという間に授業から取り残されてしまいます。 小学校のうちから毎日きちんと勉強する習慣を付けているのが望ましいですが、そうでない人も、最初は5~10分で良いので机に座ってみましょう。
・反復演習をしよう
毎日机に向かう習慣が付いたら、まず授業で習った内容を繰り返しする反復演習をたくさんやりましょう。数学なら計算問題、国語なら漢字、英語なら英単語などから始めても良いでしょう。
特につまずきやすい数学は、分数・少数の計算問題を意識的に解くと効果的です。授業で理解出来ていたのに定期テストになると点が取れない、という事はよくあります。これは習ったことを時間が経つと忘れてしまうというのも原因の1つです。
そのような子はケアレスミスが多いという共通点もあります。似たような内容を繰り返し解くことにより、ケアレスミスを防ぎ学力を定着させていくのです。
・早寝早起き、体力をつけよう
勉強に部活に中学校生活にと、とても忙しい中学生。どんなに勉強習慣を身につけようとしても、体力がないと上手くいきません。中学生活は体力勝負と言っても過言ではないでしょう。
夜遅くまでスマホやゲームをしていた、というのでは翌日に影響を及ぼしてしまいます。夜10時以降はやらないなど自分でルールを決め、忙しい中学生活を乗り越えるため早寝早起きで体力を付けましょう。 そして、栄養ある食事をしっかり摂ることも成長期の中学生にとっては大切なことです。
いかがでしたか? 多くの人がぶつかる中1の壁には、様々な原因があることが分かりました。 壁を乗り越え充実した楽しい中学生活を送るには、規則正しい生活と行事などに対する積極的な姿勢、そして家庭学習の確立が大切と言えるでしょう。