子どもが幼いうちに始めた方が言われるお稽古と言えば、クラシックバレエ・英語・ピアノです。
確かに子どもの脳が発達途中のうちからお稽古に触れていたほうが、身に付きやすそうですね。 それぞれのお稽古で早く始めた方がいい理由はありますが、ピアノはなぜ早いほうがいいのでしょうか。 大人になってからでは遅いのでしょうか。
ピアノを早く始めた方がいいと言われている最大の理由は、音階を聞き取る能力が備わりやすいからです。
「絶対音感」と言われる能力です。 人間の聴感覚が発達するのは7歳頃までと言われていますので、7歳以前にピアノを始めるといいのです。 「早くから」とは具体的に7歳までのことになりますね。
このころまでに日常的にある音・言葉を聞き分けられるようになるのです。 英語も同じ理由で早い方が言われているようですね。
ピアノを習う最大のメリットがこの音感習得と言っても過言ではありません。 ピアノを弾く能力は、ピアノを弾く機会がないと発揮されることはありません。
大人になってピアニストか音楽関係の仕事につかない限り、ピアノを披露する機会はそう頻繁に訪れるわけではありません。 小学校、中学校でピアノの授業があるわけでもないので、直接的に成績にかかわることでもないはずです。
しかし音感がついているといろいろなことに応用できます。 ピアノの音を日常的に耳で聞くことにより、正しい音感が身に付き歌も上手になります。
基本的に耳がいいので、電車のホームの音楽も上りと下りのホームによってキーが違うことなど、ちょっとした事に気付くことができます。 他にもピアノを触ることで指を細かく使うことになり、脳の活性化にも役立ちますので早い方がオススメと言われているのです。
音感が身に付くという点では、他の楽器でもよさそうですよね。 バイオリンでも音楽に触れていることには変わりないですから、バイオリンでもいいのではないでしょうか。
しかしバイオリンではダメなのです。 ピアノでなくてはダメなのです。 ピアノは「ド」の鍵盤を押せば、必ず「ド」の音がでます。 定期的にピアノの調律をしておくことが必要ですが、「ド」の音が狂うことはなく毎日同じ音がでます。
しかしバイオリンは自分で毎回調律しなくてはいけないのです。
バイオリンは自分の耳を頼りに、音を出さなければいけません。 バイオリンを弾く時点で演奏者の絶対音感が必要なのです。 バイオリンは繊細な楽器なので、少し高くすればいいのか、少し低くすればいいのかなども細かなタッチで音が変わってきます。
そのためバイオリンを習う前に、ピアノを習って音感がついていた方がいい音が出せるでしょう。 音感のない人はバイオリンの音が多少ずれていても、気付かないのです。 そのためバイオリンが下手な人の演奏は不快なものだ、というイメージがついてしまっているのです。
バイオリンで音感をつけることはできないので、ピアノを先に習っておく必要があるということです。
逆にピアノを経験していれば、どんな楽器にも転身することができます。 ピアノ経験者なら楽譜も読めますし、書けます。 音楽の楽譜はどんな楽器でも同じ表記なので、小さい頃から平仮名の読み書きを覚えるように、楽譜の読み書きを覚えてしまえばいいのです。
大人になってから「勉強」として楽譜の読み書きを習うと、覚えることが多くて大変です。 楽譜表記は世界共通なので、抵抗のない頃に覚えてしまうと、将来的にも役に立つことがあるかもしれませんね。
ピアノを子どもに習わせようとなると、自宅での練習は不可欠です。 当然、ピアノを購入する必要もあります。 毎日練習するのは無理かもしれませんが、全く練習せずにレッスンに行くわけにもいきません。
高いピアノを買って無駄になってしまってはもったいないので、ピアノが続けられるかわからなくて始めることを迷ってしまうのであれば、リトミックから始めてもいいかもしれません。
リトミックは1歳からできるお稽古で、対象年齢がピアノよりも低いです。 楽器を演奏するところまではいきませんが、大切なのは音楽に触れることです。
お稽古として音楽を学ぶことが続けられそうであれば、ピアノに移行させてもいいのです。 実際にリトミックから始めて、ピアノにうつる子どもも多いですよ。
ピアノは誰が弾いても正確な音が出る楽器ですが、演奏者によって曲の仕上がりが変わります。 指が上手に動くようになれば、次は感情を込めて演奏をすることが求められる、終わりのない楽器です。 自然に繊細な感覚が身に付きますので、いつの時代も子どものお稽古には人気があるのかもしれませんね。