為替は、普通、国の経常収支(貿易など海外と国内の資金の出し入れ)と、金利差で動く、とされています。そこに近時、「その資産が安全かどうか」という変動要因が、円に対して加わってきたのです。
もちろん、この要因は、昔からあるのですが、これまでの時代、安全資産としては米ドルや金が買われてきたのです。
しかし、米国同時多発テロ以来、米国はいまや「危険地帯」。
その代わりに、われらが「円」が、安全資産として、紛争や、経済危機が疑われる場面で買われるようになったのです。
確かに、「テロ」や「内紛」「国際紛争」が少ない、治安も良い、という意味で、日本ほどの国はないでしょうね。しかも、兌換性が高い国際通貨となれば・・・。
しかし、日本が経済的に決して安心な国、というわけじゃありません。財政赤字が大きすぎですしね。
この場合の「安全資産」とは、まあ、言ってみれば、経済のこと以外に気を回さなくてよい、というくらいの意味ですけど。
というわけで、ウクライナ危機、中国・新興国通貨危機、などの問題が起きるたびに、円が買われるわけです。
ま、危険な国とされるよりはいいですけどね。