2014年に入り、株式を上回る世界的なREIT相場の上昇が続いています。
代表的指標であるS&PグローバルREIT指数の年初からの上昇率は15%超に達し、地域別でみても世界の6割超の市場規模を持つ米国をはじめ、オーストラリア、日本、ヨーロッパ、シンガポール、香港の主要指数も大差のない上昇率を示しています。
こうした世界的なREITの好調がいつまで続くかは、現在の最適な投資環境に変化をもたらす要因や、それがREIT価格にどう影響するかを予想する必要があります。
REITの投資環境に変化をもたらす金融政策や地政学リスク
一般的に、景気回復過程で市場金利は上昇しますが、REITにとっては資金調達コストの上昇や配当利回りの相対的低下に繋がり、価格下落要因となります。
しかしながら、REITの収益源である不動産価格や賃料も上昇するため、収益の増加が負債コストの増加を上回る限り、ファンダメンタルズの改善を通じて価格は上昇する傾向にあると言えます。
こうしたなか、現在の世界的なREIT相場の上昇の背景としては、
「世界的に緩やかな景気回復と金融緩和による低金利の同時並行が、REITにとって最適な投資環境になっている」と考えられます。