国籍や年齢、障害の有無を問わず、誰もが使いやすいデザインを目指したのがユニバーサルデザイン。視覚的にわかりやすいと同時に、人間工学を踏まえた使いやすい形状になってるのが特徴です。
元々は不特定多数の人間が利用する公共建築物の設計に採用された考え方ですが、住宅設計にも取り入れられるようになってきました。
そのひとつの手法として歩行の障害をなくす為の高低差の「バリアフリー」があります。室内の建具を敷居のない吊り戸にしたり、部屋同士の段差をなくすということをします。玄関も将来の車椅子使用に対応できるよう、なるべく段差を少なくするということも設計にもり込まれることがあります。
また、あえて段差を作るという事も歩行の負担軽減につながることがあります。
リビングに付設された畳スペースなどはリビングの高さより一段あげることで畳を座面として使うこともでき、用途が広がります。
なにもすべての床の高さを揃えるだけではないということです。
このように高さを操作することで「バリア」をなくすという方法の他に、温熱環境の「バリアフリー」というものもあります。
冬や夏に空調を効かせた部屋から一歩出ると、極寒、もしくはむせ返るような住居環境は温熱的に心地良いとは言えません。とはいえ、家中隈なく空調するには光熱費の問題があります。
そこで、家の中どこでも同じような湿度と室温を保つ全館空調を実現するには、家の断熱性能がとても重要な要素となります。つまりは魔法瓶のように家の外皮(外壁、屋根)をしっかり断熱することで、空調された空気環境が逃げ出さないようにすることで、ランニングコストを抑えた温熱環境的バリアフリーが実現します。
この場合でも食品庫などの一部の用途の部屋はきちんとバリアをつくる方が使いやすくなります。
このように住宅設計では色々な形でバリアフリーにすることができます。
そして単に均一にならしてしまうのではなく、使いやすさを目指したメリハリが大事であるということです。
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2024/11/20 更新