本日お伝えするのは、住宅の価格についてです。
ほとんどの方は予算に限りがあります。そして、良いものを安く手に入れたいと思っています。私も同じものだったら、安い方を購入しますが、それが既製品で手に取ってみる事が出来る場合に限ります。
注文住宅の場合では、まだカタチが無い状態で判断しなければなりません。その判断材料としているのが、プランと見積もりの場合が多いでしょう。いくつかの住宅会社から見積もりをとって比較をします。それぞれの会社の異なったプランと工法と材料と工事管理・・・の見積りの金額で あなたも比較する事になるでしょう。
ハッキリ言います! それを比較できるのは、建築知識があり、業界で10年ぐらい経験があり 見積りや設計の業務をしている建築士です。建築士でも見積り比較出来ない人は多いのです。
それでは、あなたはどの様に住宅の価格を検討したらよいのかをお伝えします。
見積りの書き方・様式は住宅会社によって様々ですので、中には分かりにくい表現で記載されています。例えば、「基礎工事 一式(いっしき) 200万円」
「ま、どこの会社もこんなモノだろう。」 「聞いても分からないし・・・。」 「何を聞いて良いのか分からない。」 この様に思わないで、このように質問してください。『私、初めての家づくりで分からないのですが・・・・基礎工事の詳しい内訳を教えて下さい。』
基礎工事の順番を簡単にお伝えしますね。
地盤改良→改良土の処分→掘削→床付け・砕石敷→ステコン→スミダシ→鉄筋→型枠→ベースコンクリート打設→立ち上がり基礎の型枠→アンカーセット→立ち上がり基礎のコンクリート打設→脱型→埋め戻し・・・。
簡単にはこれくらいの作業内容があります。
それぞれに、材料費や人件費や管理費があります。あなたは、その内容を理解する必要はありません。聞くだけでよいのです。説明を受けて、分からない部分や気になった部分を「どうしてそうなるのですか?」と聞き直すのです。
もし、営業マンが「会社の決まりでこの金額になるのです。」と言ったとしたら、ご注意ください。たとえそうだとしても、家づくりのプロであれば、その根拠は知っておくべきだと思いませんか? 質問する事で、あなたの担当者がどれくらい家づくりに情熱を持っているのかも判断出来ます。
これから一緒に家づくりをすることになるかも知れない住宅会社の担当者です。分からない事を気兼ねなく質問出来る雰囲気と家づくりの情熱は持ち合わせてほしいものです。
見積り金額の内訳を聞くと、もっと凄いメリットがあります。
まず、見積もりを見る時の心構えとして、「分からない事は素直に聞く」です。建築の見積書には、一般の方が分からないような専門用語が沢山あります。住宅会社は専門用語として認識していなくても、一般の方には専門用語なんです。
例えば、「梁(はり)」 柱は分かっても、梁は分からないのであれば聞くべきです。最初に聞いておかないと、後からは聞きにくくなりますし、住宅会社も分かっていると思い 話がドンドン進んでいってしまいます。そして、分からない部分が解決したら、「この場合はどうなるの?」と疑問に思ってください。
これの繰り返しです。 見積りの見方は、分からない事を聞くだけです。
では、一つ事例をだしましょう。私が「家づくり勉強会」でお伝えしているクイズです。
基礎立上りの幅ですが、一般的に150mm幅で施工されている住宅会社が多いようです。基礎の立上りとは、土台が乗る部分です。その立ち上がりに、土台アンカーボルトなどの金物を施工します。(アンカーボルトや立ち上がりも専門用語なので、詳しく聞いてくださいね。 ちなみに、インザホームのホームページにて詳しく解説しています)
ここでクイズです。この立ち上がりの幅を150mmから180mmに変更したら、どれくらいの金額があがるでしょう?
これを勉強会で参加者様に聞くと、30万円、50万円、・・・・実はもっと安くて10万円と お応え頂けます。
では、どれくらいの追加金額になるのかお伝えします。一般的な住宅の基礎立上りの長さは、45㎝~50mぐらいです。幅は150mmから180mmになったので、30mm増えています。基礎立上りの高さは、45㎝だとします。(一般的な高さです)
これを計算すると、必要なコンクリート量が計算出来ます。ちなみに、型枠といってコンクリートを流し込む枠は、追加にはなりません。(こちらも、ホームページをご覧ください。)
コンクリートは0.675㎥になります。コンクリートの打設手間をいれても、1万円~2万円もあれば、丈夫な基礎が出来ます。これって高額ですか?
勉強会の参加者様に聞くと、「これくらいなら絶対にお願いしたいです。」と お応え頂けます。見積りの金額を詳しく聞いて、疑問を持つことで凄く得をすると思いませんか?
もし、知らなければ、営業マンに「10万円の追加になるのですが・・・、今回は○○さんのお願いなので7万円でやっておきます。」あなたは、「ありがとうございます。」と感謝するかもしれませんが、実は住宅会社はもっと儲かっている訳なのです。
基礎立上りの幅を180mmにする理由も聞いておくべきですが、 知らない事でかなり損をしています。
この様な話は、まだまだ沢山ありますが ここでお話すると、私が夜の街を歩けなくなるので勘弁してください。
今回は、ここまでです。
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2024/11/20 更新