知っておきたい注文住宅で失敗しない考え方

設計者はその要望を理解、整理し、どこを兼ね合いとするかを決めます。また、設計では何かを取り入れるときは、必ず他との整合を図らなければいけません。予算のバランスや工法、法規的に可能であるか、メンテナンス上問題がないか、一つを実現させる為に他の多くが犠牲になりすぎていないかなど、多岐にわたります。
 
このようにして、多くの注文住宅は一つの形になっていくのですが、これでは設計者はその職能を最大限に発揮しているとは言えないのではないでしょうか。設計者というものは、その敷地で、予算内に出来上がる最高のものを提供しようとしているはずです。その提案は施主の思いもしないアイデアや工夫で出来ており、注文住宅の醍醐味であるともいえます。それには、最初からたくさんの要望で設計者をしばってしまうのではなく、最低限の要望と更には「これはいらない」という注文をし、それ以外は設計者からの提案を受けてみてはいかがでしょうか。
 
「したい」ではなく「したくない」事を伝えるほうが、施主にとって満足の得られる結果となる事もあります。