住宅[373]

バリアフリーリフォームとIHクッキングヒーター

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執筆者:越野 かおる
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日本は、世界に誇る長寿の国。私たち日本人は、長い人生を安心して快適に暮らすためには、周囲のサポートと住まいの設備が整っていなければ成り立ちません。

各自治体でも、介護保険制度の一環として「介護のための住宅改修=バリアフリーリフォーム」に対して補助金を出しています。

バリアフリーリフォームとは、

①床の段差解消 ・・・ つまずきや転倒防止の意味合いが強いですが、車椅子や松葉杖での移動についても有効です。

②床の仕上げを滑り難い素材に変更 ・・・ 転倒防止のため。段差解消と同じくらい重要です。

③手すりの設置 ・・・ 移動時の安全のため。住み慣れた家で、なるべく自力で生活できるようにするために設置します。障害の度合いや使う人の利き手、移動方向やその場所での動作などを考慮して設置しないと、単に邪魔な存在となってしまいます。ご注意ください!

④通路幅やドアの開口幅の拡張 ・・・ 住宅金融公庫の基準では、廊下の幅と開口の幅は75㎝以上とされていますが、これはあくまでも最低基準であって、理想は85㎝以上欲しいところです。壁の撤去や構造に関わる工事になるため専門家のアドバイスを基に行ってください。

⑤階段の段差を緩やかに変更 ・・・ 障害などに関わらず、階段の上り下りが辛く感じてきた場合、階段の段差を小さくし階段移動のストレスを軽減します。ホームエレベーターなどの設置を検討するのも良いですね。

⑥水廻り機器の入替え ・・・ 使う方が利用し易い仕様に変更するためでもありますが、介護をする方も「介護がし易い」ように改修する目的もあります。水廻り機器の入替えだけではなく、十分な広さやドアの位置などもご検討ください。

⑦畳の部屋をフローリングに変更 ・・・ 寝具をお布団からベットに変更する際に、畳の部屋をフローリングに変更するケースが多いです。畳の上にベットを置くと畳が傷みますし、ベットの上で介護を行う場合、床が掃除し易いことも必要条件です。

⑧玄関やアプローチにも手すりやスロープを設置 ・・・ 家の中だけではなく、外出のサポートも重要です。玄関まわりだけではなく、駐車場や道路からのアプローチにも滑り難い仕上げにするなどの配慮が欲しいところです。

誰もが、「いつもまでも健康で可能な限り自分のペースで生活したい」、「ずっと住み慣れた家で暮らしたい」、と願うものです。バリアフリーリフォームは、怪我に繋がり易い床の段差を解消したり、手すりの設置や、介護がし易い空間づくり、車いすや松葉杖での生活に対応できるようにして、その思いをサポートします。

よく、「バリアフリーリフォームをされるなら、キッチンはIHクッキングヒーター(以下:IH)に変更しましょう!」という言葉を耳にしますが・・・

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住宅総合ランキング2024/04/19 更新

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