あなたは住宅会社のホームページをご覧になったことがありますか?
ハウスメーカーの住宅展示場に行かれたことがありますか?
多くの住宅会社が構造や工法・材料にこだわりを持っている事が分かります。 大きな地震が来ても倒壊しない構造 太い柱や特殊な金物など、独自の材料を採用 免振装置が付いている構造 内側と外側の2重に断熱されている工法 本当に色々とあります。
初めて家づくりをされるあなたは、何が一番よいのか分からないと思います。
「家は3回建てないと満足出来ない」と言われますが、3回建てても分からないと思います。
それぞれ、考えられていて素晴らしい工法や構造だと思いますが、 何事にもメリットがあればデメリットもあります。
その一番のデメリットが金額です。
メーカー独自の工法や材料などを採用する場合、全く同じものは一般の市場では手に入りません。 特許がある場合も多いからです。 研究開発費も入れると高額になるのは理解出来ます。
そして、リフォームやメンテナンスも一般市場にない材料になれば、高額にはなります。別の材料や職人で工事をしてしまった場合では、その後の保証が得られない事もありますので ご注意ください。
さて、これらの特別な工法や材料などを採用した住宅は、地元の住宅会社では出来ないのでしょうか?
私は同じような構造の施工は可能だと思います。 同じ材料や金具などは、使う事が出来ないですが 同じ性能の材料や金具は市場にある場合がほとんどです。
建築知識や建物構造などの原理が分かっていたら、十分代用できると思いますが 通常の構造よりも予算は高くなるでしょう。
しかし、お金を掛ければ高性能な住宅が出来る訳です。 (建築知識や技術や管理などがある事が前提です)
少し考えて頂きたい事があります。
断熱について考えてみましょう。
私たちが暮らす地域である愛知県が北海道や北欧のような断熱が必要でしょうか? 予算があれば、高価な断熱を2重に施工してもよいでしょうが ほとんどの方は予算に限りあがります。
愛知県は、北海道よりも温暖ですので、同じレベルの断熱ではなくても良いと思います。 断熱に予算を掛けなくても良い代わりに、土地が高額です。 暮らしやすさを住む場所(土地)として購入している訳です。
耐震について考えてみましょう。
例えば、震度6が20回起こっても、びくともしない構造です。 素晴らしく丈夫だと思います。 免振構造や耐震金物に予算を使ってもよいでしょう。
しかし、ここで言われているのは基礎から上の構造体についてです。
地盤は同じぐらい丈夫なのでしょうか? 造成された土留めは倒壊しない程の強度はあるのでしょうか? ライフラインである、水道・ガス・電気は使えるのでしょうか? 基礎も同じぐらいの強度はあるのでしょうか? 隣家が倒壊したら、あなたの家の方に倒れてきませんか?
これらの条件がクリアー出来て、地震が起こっても大丈夫だと言えるのだと私は思います。
誤解の無いように言っておきますが、耐震や断熱などの住宅としての基本性能は、とても大切ですので、よく考えなければなりません。
「こだわり」を辞書で調べるとこう記載してあります。
1つの物事に執着しすぎて、周りが見えなくなる事
・・・・だそうです。 1つの物事だけではなく、家づくりは色々な事柄が複雑に絡み合って性能が発揮されます。
表に見える部分だけにお金を掛けても、価格に見合う効果がありません。