こんにちは、前田です。
先日、不動産屋さんのチラシに建売価格2800万円~2980万円と掲載されていました。土地と建物の価格です。その地域の土地の相場は35万円/坪以上です。土地の大きさは50坪程で区画されていました。すると土地の価格は、1750万円ぐらいになります。
そして、建物は木造2階建ての35坪ぐらいです。3LDKの間取りです。建売価格から土地を引くと建物の価格になりますので、
2980万円-1750万円=1230万円
になります。住宅会社の粗利益を25%位だとすると、920万円ぐらいが住宅建築の原価になります。
また、新聞広告の片隅には「800万円の家」ともありました。先ほどの建売価格で言うと、原価以下です。どの様に利益を上げているのか疑問ですね。
住宅の価格を表示するのかは建築業界では決まりがありませんので、見積りに入っていない部分や別途工事があるので表示価格が間違って伝わるのです。
例えば、建築費用だけの価格で、設備機器や配線・配管などは別途工事とか 外部の埋設配管や土の搬入・搬出や整地や地盤改良は見積もりされていないとか、キッチンやユニットバスや外壁や屋根やサッシなどは、最低ランクになっている・・・。色々なカラクリがあるようです。
この様な事は、知らない方が多いので「800万円で家を建てられます!」と広告が出ると 「安いな~、話だけでも聞いてみようかな。」と関心を持つ方と「どうしてこんな低価格で出来るのかな?」と不審に思う方といらっしゃると思います。
あなた、どう思われますか?
私は、この様な広告を見ると、とても残念な気持ちになります。あなたには、家づくりを失敗して欲しくありません。価格だけを判断基準に出来るほど、家づくりは単純ではありません。
しかし、真剣に家づくりをしたい方にも間違った判断基準や価値観を植え付けてしまい 家づくりに失敗してしまう事例は、沢山あります。
単に価格を下げるだけなら、木材の質を落としたり、断熱を安価で薄いモノにしたり、基礎の厚みや鉄筋を少なくしたり、設備も最低限のモノにしたり、経験の少ない職人を採用したり、現場管理をしなかったり、建築士が設計をしないで営業がプランしたり・・・色々な方法で価格を下げる事が出来ます。
それよって、結露による健康被害(ハウスシック)や断熱・耐久・耐震性能の低下、住まわれてからのアフターサービスをしてもらえないなどのデメリットや危険も高くなります。
あなたは、どのような住まいに価値を感じますか?ブランドですか?営業マンの態度ですか?プラン集ですか?デザインですか?耐震性ですか?土地を扱っている会社ですか?それらは、住まう方によって価値観は違います。
ちなみに私が住まいに求める価値は・・・「毎日の暮らしが楽しく、あなたとご家族が永く幸せに暮らせること」です。これが最低限の条件になります。
もし家づくりに迷ったら一度冷静になって考えてみて下さい。あなたが求める住まいの価値とは何でしょう?
安さで家づくりを選んでしまうと、失敗してしまいます。ご注意ください。