本日お伝えするのは、見積もりについてです。
あなたの家づくりでも「予算」は重要ですよね。 週末に折り込まれる住宅チラシを見ると 30万円/坪とか800万円の家・・・なんてあります。
また、見学会や住宅展示場などに行くと営業マンが 「見積もりだけでもしませんか?」と売り込みされるかもしれません。
ま、それだけ皆様が「予算」を大切にしているのでしょう。 しかし、安いからと言って、金額だけで住宅会社を選ぶのはとても危険なのです。 住宅会社は、あなただけ特別に利益を削ってまで家を建ててくれません。
住宅会社は利益がなければ、会社を維持していく事が出来ません。あなたのお勤めの会社も同様です。 もし、薄利で家を建てているのであれば、建ててからのアフターメンテナンスは出来ないでしょう。
だからと言って、暴利でいい訳ではありません。 あなたがどこまで許せるのかですが・・・・。CMなどの広告費、ショールームの維持費、豪華なカタログ、営業マンの人件費など あなたの家づくりに直接関わっていない経費も見積書の中には入っています。
「だから、私の家の見積書が欲しいのよ。」と思われるかもしれませんね。では、見積書の見方を少しお伝えします。
見積書の作り方は決まりがありません。住宅会社それぞれに書式が違います。 だから、内容の比較は難しくなっています。
全てをここでお伝えする事は出来ませんので、この文字に注目してください。 「一式」です! 例えば、
基礎工事 「一式」 200万円
あなたがする事は、この「一式」について質問するのです。
「この項目の一式って何ですか?内訳を私に分かるように教えて下さい。」
基礎工事には、土を掘る・土を処分する・コンクリートを打設する・鉄筋を組む・型枠を建てる アンカーボルトをセットする・・・・・など、とても多くの仕事があります。 そして、その仕事内容もそれぞれ単価があります。
例えば、コンクリートを打設する場合では、 コンクリートの材料費・コンクリートを打設する時のポンプ車・コンクリートを均す打設工・コンクリートを仕上げる左官・・・・簡単に分けてもこれくらいは項目として挙げられます。
これらを見て、積ると「見積もり」になります。一式では積らないですよね。あなたが住宅会社を選ぶ基準の一つとして、見積書の内容を分かりやすく説明してくれるのか?はとても重要です。
工事の追加や変更の場合でも、見積書の増減が出ます。ここをしっかりと押さえておかないと 「契約金額と話が違う」「追加金額に納得できない。」こんなトラブルにもなります。すでに工事が終わっている場合が多いので、泣き寝入りのように支払う場合が多いようです。
と、いうことで、トラブル回避のためには、見積り内容を丁寧に説明してくれる住宅会社を選びましょう。
とは言っても・・・・なかなか一般の方は説明されても「は~、そうですか・・・。」って事になるかもしれませんね。
そこで、「いつものように建築士に相談したらいいの?」と思われたでしょう。 残念ながら、建築士にも色々なタイプの人がいます。 デザインや設計や申請を仕事にしている建築士に相談しても あなたが望む見積り内容の話はしてもらえないでしょう。
見積もりって難しいのです。 社会情勢によって、物価は変動します。 消費税の増税やオリンピックの開催でも物価は上がりますし ガソリン価格や木材の流通にも影響します。
ですから、常に見積り業務に携わっていないと正しい情報は得られないでしょう。 建築士だからって、万能ではないのです。
ん~難しいですね。 実は、見積もりをする前がとても大切で、 良い見積書をつくれる住宅会社かどうかを見極める方法があるのです。
あなたが見積もりをお願いしたとします。 すると営業マンが色々とヒアリングして、プランをつくる事になります。
「キッチンは対面ですか?」
「リビングは何帖がご希望ですか?」
「子供部屋は2階に6帖+収納で2部屋にしますか?」
「玄関は、道路面の北側でいいですよね。」
はい、これアウトです。
自社のプラン集に当てはめるようなヒアリングですよね。 プラン集なら見積もりもすぐに出来ますが、 本当にあなたの為のプランになっているのでしょうか?
見積り前の質問の仕方が重要です。
「休日は、ご家族と何をしてすごしたいですか?」
「洗濯物はいつ干して、どこに取り込み、どの様に収納したいですか?」
「ご主人・奥さんが一日の中で、何か楽しみにしている事を教えて下さい。」
「10年後、20年後、どんなご家族の成長があると思いますか?」
この様に、暮らしについての話からあなたの価値観を知り プランを練っていく住宅会社は、見積もりをしてもらっても 丁寧に説明もしてくれるでしょう。
見積りの金額は、材料次第で安くすることも出来ます。 ですから、金額の安さだけで住宅会社を判断するのは危険なのです。
住宅会社が建物をつくりたいのか、 それとも、あなたのご家族が幸せに暮らせる住まいをつくりたいのか それは、見積もり前の質問の仕方でよく分かりますので、 注意して聞いてください。 これなら、専門的な知識は必要ないし、分かりやすいでしょ。