住宅[373]

【シックハウス症候群】健康住宅とは?

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執筆者:越野 かおる

住宅の高気密・高断熱化が進み、化学物質を含有した新建材が多く使用されたことにより、室内空気が化学物質などで汚染されて、人体に悪影響を及ぼすことを「シックハウス症候群」と言います。巷でも、この「シックハウス症候群」が大きな問題となり、十数年前に建築基準法で建物の内装材などを規制されることになりました。

この辺りから、【私たちは、健康住宅に特化したビルダーです!】というキャッチコピーをよく見かけますが、詳しい内容を見ると新建材や工業製品と思しき物は「全て悪だ!」、「全てNOだ!」という勢い・・・

確かに、シックハウスの主な原因とされている新建材に含まれるVOC(揮発性有機化合物)は排除した方が良いに決まっていますが、完全に無垢材だけを使用するだけで「健康住宅」だと言えるのか?そして、高額な建設費用をかけて「シックハウス症候群」が撲滅されるのか?と、疑問が残ります。

そもそも「シックハウス症候群」の症状は個人差も大きく、人によっては、アレルギーをお持ちであったり化学物質過敏症も併発している可能性もあり、室内のダニや埃、日用品からも出る化学物質、様々な要因がある中で一概に「住宅建材の化学物質」が全ての原因ではないということです。

シックハウス症候群に対する改正建築基準法では、VOCの一つである「ホルムアルデヒド」を放散する建材の使用を制限していますが・・・ご注意頂きたいのは、規制されているものは「ホルムアルデヒド」だけで他の化学物質がゼロになっているわけではないということ。一番、ホルムアルデヒドの発散量が少ない「F☆☆☆☆(エフフォースター)」ランクの建材でも、決して安心ではないことは、皆さんもご存知の通りですが・・・

実は、天然の木材でもホルムアルデヒドをはじめとする揮発性の物質が含まれていることはご存知でしたでしょうか?もちろん、天然の揮発性物質なだけに、人体に悪影響を及ぼす量を発散するわけではありませんが、意地悪な言い方をすれば「無垢の木材もパーフェクトではない!」のです(^^ゞ

更に言ってしまえば、人体からも有害な二酸化炭素や湿気が放出されています。皆さんは、人混みの中で気分を悪くした経験はありませんか?正にそれなのです!

もうお気付きかと思いますが、「シックハウス症候群」の予防で重要なのは、【換気】です!!

オール無垢材の「健康住宅」と謳ったストイックで高額な住宅よりも、換気システムに重点を置いた住宅の方が「シックハウス症候群」には有効なのですよ。

「健康住宅」を皆さんへ★高価なだけではないことを、頭の片隅に置いておいてくださいね(^-^)

※あわせて読みたい同アドバイザー記事

【シックハウス症候群】知っておきたい換気での予防方法

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住宅総合ランキング2024/11/21 更新

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