住宅[373]

施主と建築家の幸せな関係

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執筆者:越野 かおる

テレビや雑誌で、「この建物は、建築家の先生に全てお任せしました~♪」なんて施主のインタビューを見たことはないだろうか。

その時、視覚に入ってきたデザインが斬新なものであったなら・・・ 脳裏に浮かぶのは、【全てお任せ=好き勝手やられる】というイメージなのでは?

建築家は個性的な建物を造る人、「全てお任せ」なんてちょっと怖いって思うのは当然かもしれませんが、私は、このようなコメントを聞くと「建築家も施主も幸せだな~」と思います。確固たる信頼関係がなければ出ない言葉ですもの(^-^)

皆さんもご存じの通り、家づくりにおいて、登場人物は3人です。

施主(クライアント)、建築家(設計者)、ビルダー(施工者)。

この3者の関係、究極は、【3者が対等な立場】でプロジェクトが遂行されることなのですが、やはり建築業界ではない施主は、どうしても3者の中で「対等」に発言したりするのは難しいことです。

そうなると自然に、施主の頭の中に【施主 vs 建築家+ビルダー】というイメージが生まれてしまいます。これでは、家づくりの主役である施主が孤立しているようにみえてしまいますね。

実は、実際にこのような3者の関係になってしまった場合、かなりの確率でトラブルが大きなシコリになり最後まで引きずってしまうことも。建築の専門知識のない施主が、設計者やビルダーの言いなりになって不満を抱えるケースは多いです。

せっかく新しい生活に向かって夢と期待を持って挑んでいる家づくりに対して水をさされてしまいますし、住まう家に対しても不満を持ってしまうのは、とても悲しいことですね。

そうならないためにも、【3者の対等な立場】を意識してください。もちろん、施主も「対等」となるためには、発注者としての「決定する責任」が伴うのですよ!

とはいえ、やっぱり【3者の対等な立場】を築くのは難しい事なので、冒頭のような「幸せな関係」となるには、【施主+建築家 vs ビルダー】というケースが多いかもしれません。

それは、建築家が「施主の代理人」となって、専門的なアドバイスを行い、施主が目指す家づくりをサポートする立場にいるということ。決して、ビルダーを敵視して施主と共にイジメルことではないのですが、現場との意見の食い違いなどを施主の代理人として調整していく存在になるのです。

この「3者の関係」によって、最終的な施主の満足度が大きく違ってくるのですから、とても重要な事です!!!

もちろん、住宅メーカーや建築会社のように、ビルダーの一部に設計者が存在することもありますよね。

そうした場合は、ご自分の担当者が「どちらの味方なのか?」ということを見極めてみてください。これは、施主になる皆さんが【家づくりの一番初めの大仕事】なのかもしれませんね。

私も建築家の一人として「お任せします」というお言葉を施主から頂きますが、それは、「あなたなら私の思いを形にしてくれる、期待以上のものを提案してくれる」と思って頂いているからこそ。好き勝手やらせて頂けるという訳ではないのです(笑)

そんな関係を築ける家づくりのパートナーに出会えれば、皆さんの家づくりは99%成功したも同然ですよね(^-^)

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