あの東日本大震災から3年が過ぎ、建築業界も元の活気を取り戻し、街を歩けば工事現場をよく見かけられるようになりました。
2020年には東京オリンピックも控えており、益々、市場が活発になると思いきや、建築の現場では深刻な職人不足の問題を抱えています。
思えば、2005年の耐震強度構造計算書偽装事件(耐震偽装問題)を受けて、2007年に改正建築基準法が施行されてから確認申請の手続きが厳格化され、確認申請が滞った状態が続き建築業界全体が混乱しました。
建築の許可手続きである確認申請が滞るということは、建築工事が激減し、設計事務所や建設業者が倒産する事態にまで発展してしまう大事態だったということです。
ここで体力のない業者や出口の見えない混乱に嫌気をさした建築士、仕事が減ってしまった職人が多く去って行った時期でした。
そして、2011年の東日本大震災で全国的な建築資材不足が発生し、またもや工事が止まってしまう事態に。ここでも店仕舞いする職人が後を絶ちませんでした。
更に、必然的に復興地に職人が集結するため、都市部では着工するために職人の手配に奔走するようになっています。
ようやく、経済政策や東京オリンピックで建築業界にも活気が戻ると期待はできても、現場に職人がいなければ、設計図なんて「絵に描いた餅」でしかありません。