教育[725]

「わが子を二の次にしないで!」子どもが落ち込まない接し方

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執筆者:立石 美津子

日本に根付いた“謙遜の美徳”“自分のことよりもまず他人を思いやる気持ち” “和をもって尊しとなす”の文化の影響か自分の子どものことよりも他人の子どもを優先する光景がよく見られます。でも、子どもはいったいどう思っているんでしょう。

そこで今日は、『1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話しします。

■他人の子どもを優先して我が子は後回し

あるお母さんからの相談です。

ママ友の子どものAちゃんが「ねえ、○○ちゃんママ、私、絵が上手になったんだよ」と描いた絵を見せにきました。「Aちゃん、上手に描けているわ、素敵な絵ね」と褒めたら、我が子が「私も上手いでしょ」割り込んできました。

自分の子どもの絵は家に帰ってからじっくり褒める時間もとれることと“友達の良いところも認める習慣”を娘にも付けて欲しいと思っていたので「ママは今、Aちゃんの絵を褒めているんだから静かにしていなさい!」と叱ってしまいました。

帰宅後、我が子の絵を褒めましたが、娘は酷く落ち込んでしまい挽回はできませんでした。

■子どもはわからない

まだ生まれて3~4年しか経っていない子どもです。自分のことを認めてもらいたがっています。特にママに対しては強く願っています。それなのに他人を優先し自分の絵を自慢して割り込んできたことを叱られてしまったのでショックを受けてしまったのですね。

ママ友との人間関係を優先して“我が子は後回し”にしがちですが、他人の子どもより我が子の気持ちを優先しましょう。他人の子のAちゃんの絵を褒めると同時に娘さんの絵も一緒に褒めてあげると良かったのです。

自分が親から大切にされた経験をして初めて“他人を思いやる気持ち“も育まれていきます。

私は幼児に指導をしていますが、誰かの発言を褒めると「僕も!私も!」とみんな手を挙げます。先生に“自分も答えられること”を聞いてもらいたいのです。友達の発言を尊重する躾は小学校に入ってからでいいのです。まず、自分が受け入れられたという経験を幼児期はたくさんさせてやりましょう。

■自分の過去の自慢話を出すお父さん

「パパ!プールで顔を水に付けられるようになったよ!」と誇らしげに言ってきた子どもに対して「調子に乗ってしまったら大変だ」「うぬぼれさせてはいけない」と「俺なんか、お前の歳の頃は25メートルは泳げたぞ」と言ってしまったお父さん。

子どもは「もう、親に話をするのは止めよう」と思います。ここで自分の過去の自慢話を子どもにしても意味がありませんね。

■子育てポリシー

「あなたのご家庭の教育方針はなんですか?」と質問すると「人に迷惑をかけない子に育てること」と返ってくることが多くあります。でも、これはある意味“他人軸”ですよね。 それよりも生まれてから数年しか経っていない乳幼児期は「自分を大切にする」ことです。それにはママが認めてあげることですね。

小学生くらいになれば誰かが話をしている時に割り込んではいけないルールも教える必要はありますが、まだ3~4歳の子どもには受け入れてやることです。こうすることで他人を認める姿勢も身に付いていきますよ。

 

(C)あべゆみこ


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