電車内で子どもがぐずるときがあります。そんなとき親としては子どもに対してどんな態度を、そして周りの人にどんな姿勢をみせたらよいのでしょうか。
そこで、今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子がお話しします。
“ぐずる”ことと“騒ぐこと”は意味が違います。3歳以上の子どもの場合、ぐずるというよりも嬉しくて大きな声を出したり騒いだりすることがあります。
●命令しないで理由を伝える
「シー」とか「こら、うるさくしないで」「騒がないで」と叱るのではなく、「電車はお家ではないのよ。眠りたい人、本を読みたい人色んな人が乗車しているから静かにしていようね」と言いましょう。
「何故、騒いではならないのか」その理由がわからないと良い行動は定着しません。単に命令しているだけですと、その瞬間は一瞬おとなしくはしますが、数分もしないうちにまた騒ぎだしたりします。
●声の調節が難しい場合
大きすぎる声と普通の声、小さい声のボリュームの調整が難しい場合は「声を出すのは止めてね。スイッチオフ」とか「声の音量は0(ゼロ)よ」と言った方がわかりやすいこともあります。
筆者がよく利用する都営バスに私立の小学校の生徒がスクールバス代わりに大勢乗ってきます。最初は小さな声で楽しそうにお喋りしているのですが、次第に声が大きくなり、バスの中は大音量になります。運転手さんが「静かにしましょう」と注意しているのですがなかなか収集がつきません。こんなときは「バスの中では一切、声を出すのはやめよう」と言ったがよいかもしれませんね。
●なかなか改善しないとき
「騒ぐんだったらもう電車には乗れないね」と言って次の駅で降りてしまいましょう。この場合、口先だけ脅してもダメです。本当に実行するのです。目的地に着くのが遅れてしまうかもしれませんが、これでかなり反省するはずです。毎回毎回、電車に乗るたびに叱る労力を考えたら荒療治ですが、一度こんな体験をさせた方がいいかもしれませんね。
そして、次回電車に乗って出かけるとき「この間、騒いだから次の駅で降りることになってしまったよね。今日は静かにできるかな」としっかりと約束させて出かけましょう。 乗車直後、静かにしていることが出来たら「ちゃんと電車内のマナーが守れて偉いね」と褒めてあげることを忘れてはなりませんよ。
眠かったり、暑かったり体調に左右されて泣いたりぐずったりすることがあります。 これに対して叱ったら子どもが可哀相です。むしろ「よしよし、大丈夫だよ」と背中をポンポンして安心させてやりましょう。
けれども、乗客の中には赤ちゃんが苦手な人もいて凄く嫌な顔をされたり、あからさまに「静かにさせろ」と怒鳴る人もいますが、それは相手が問題なのです。そこで喧嘩してもしかたありません。もう二度と会うことはない人なのですから、形式的でいいので「子どもがぐずってご迷惑をかけてしまい申し訳ありません」と一言謝っておきましょう。それで相手の怒りが少しは収まるかもしれません。
しかし、あなたはちっとも悪くはありません。気分が滅入ってしまうかもしれませんが少しの時間だけママが耐えてください。きっとその他大勢の乗客は怒鳴った人に対して「子どもに理解がない」と冷やかな視線をおくっていると思います。
あまりに辛かったら下車して、隣の車両に移動したり次の電車に乗りましょう。子どもも外の空気を吸って気分転換になるかもしれせんよ。
年齢に応じた対応をしてみてくださいね。
※この記事を書いた立石美津子さんの著書
(画像をクリック、またはタップでアマゾンへジャンプします)