“子育ての目的は自立だ”とよく言われます。だから、子どもを独り立ちさせようと肩肘張って必死なママほど、反対にあれこれ指示を出し過ぎる過保護過干渉に陥ることも多々、子どもの自立を阻んでいることがあります。
今日は子どもの巣立ちのため幼児期から意識することについてお話ししたいと思います。
「まだまだ子どもだから出来るわけがない」と決めつけてしまい、通園バックの中に入れるタオル、チリ紙、連絡ノートなどの道具類をすべて親が準備していませんか?
小学生になっていきなり明日の時間割を見て持ち物の準備はできません。2歳からでも出来ますのでやらせてみましょう。
子どもが料理をしたがったり、食器を運びたがったりしているのに「却って手間がかかる、私がやった方が早いわ」と手を出してしまうと子どものせっかくのやる気、絶好のタイミングを逃してしまうことになります。
気が利くママ、仕事がバリバリ出来るママは却ってグズグズしている子どもにイライラしてしまい手を出しがちです。
「私がこんなになんでもチャッチャカ出来るのに、何故子どもはボーッとしているんでしょう」と嘆いている人、原因はじっと耐えて待つことができないあなたの行動にあるのかもしれませんよ。
喧嘩する前から「仲良く遊ぶのよ」、転んでもいないうちから「転ばないのよ」と言うのは止めましょう。
喧嘩することを通して社会性が育ち、転んで痛い思いを経験して注意深くなります。 空中を旋回するヘリコプターペアレンツ、除雪車のように障害物をかき分けるスノープラウペアレンツにならないようにしましょう。
「いいママと思われたい」「いい子に育てたい」「人に迷惑をかけない子に育てたい」「どこへ出しても恥ずかしくない子に育てたい」の思いが強かったり、親同士の人間関係を良好に保つことを優先するとこうなります。
A母親「貸してあげなさい」
B母親「お友達のを欲しがったらだめ」
ここに子どもの意思はないわけです。子どもだって自分が遊んでいるのを横取りされるのは嫌ですし、貸したくない時もあります。
また友達の遊んでいるものは欲しくなるものです。取ったり取られたりして喧嘩して初めてどうしたら相手とうまくやっていけるか交渉力が身に付きます。親がしゃしゃり出てきてはいけません。
喧嘩を通して社会性が付き、「だったら一回遊んだら貸してあげる」などのコミュニケーション力がつきます。一番いいのは放っておくことです。
噛みついたり、突き飛ばしたり、髪を引っ張ったときは親の出番。その時も「ダメ!こら!止めなさい!」と命じるのではなく「玩具が欲しいときは『貸して』と言おうね」とどうすれば良かったのかアドバイスするだけに留めましょう。
我が子の顔を見たら何をしてほしいのかわかりますよね。でも、反応しないこと。
「お腹空いたの?」「暑いの?」「寒いの?」「喉が渇いたの?」と気を利かせて察しの良いママにならず、自分で「お腹空いたからご飯食べたい」「暑いから脱ぎたい」「寒いからコートを着たい」「お水が飲みたい」と言わせましょう。
常にずっとママが付いていることは出来ないのです。小学校に行けば自分からSOSを出さないと誰も助けてはくれません。家にいるときから親に対してもきちんと相手に伝わるような言葉を話すように躾けましょうね。
小学校に登校後、リビングに筆箱がコロリ。「ああ、これがないと困っているだろうな」と届けるとどうなるでしょう。
子どもは自分が気を付けなくてもママが届けてくれると学習してしまいます。
届けなけれなば先生に「筆箱を忘れたので今日一日貸してください」とSOSを出す体験もできます。忘れて辛い思いをすれば明日から忘れ物に気を付けるようになります。
目先のことだけを考えて届けてしまってはこれらを学習するチャンスはありません。子どものために届けないようにしましょうね。
日常の小さなことを意識するだけで、子どもは自立していくことが出来ますよ。
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※この記事を書いた立石美津子さんの著書