夕飯準備、掃除、洗濯、ママが家事に追われて忙しくしているとき、テレビって便利ですよね。
ママにまとわりつき容赦なく家事を妨害する子ども。でもとりあえずテレビを見せていればおとなしく画面に釘づけ。
こうして、いつでもテレビがついている環境で子育てしているママも多いのではないでしょうか。
小学生で教科書を読んでいると睡魔に襲われる子がいます。文章は縦書きだったら“上から下”、横書きだったら“左から右”と目を意識的に動かさなくてはなりません。これに対してテレビは自分が目を動かさなくても画面が勝手に動いてくれます。だから楽なのです。
けれどもテレビ漬けで育った子どもは“眼筋=(目を動かす筋肉)”の運動不足のため、わずかな時間、目を動かしただけで疲れてきます。こうして文章を読むと眠くなってしまうのです。
テレビの中のお笑い芸人、沢山の言葉を話しています。情報番組もニュースも綺麗な日本語をプロのアナウンサーが話しています。でも、赤ちゃんをずっとテレビの前に座らせていたらどうなるでしょうか。言葉が増えるどころが言葉が遅れます。
何故でしょうか。 それはテレビには、人間同士がつきあうための社会性を育てる力がないからです。 自分がいくら画面に語り掛けても画面の中の人は反応を返してはくれません。テレビは一方通行のものだからです。
生身の人間と向き合って会話すれば、相手の表情を見て言葉を選んだり、またわからないことは聞き返したり、自分の言ったことで相手が喜んだり悲しんだり怒ったり。こうした人間同士の触れ合いで社会性やコミュニケーション能力、そして語彙が増えてくるのです。
名作を本で読んで感動し映画化されて自分の思っていたイメージと違っていて、ちょっとがっかりした経験ってありませんか。
読書が楽しいのは自分で文章を読んで色んな世界を限りなく広げられるからです。例えば“お月様”の言葉も人によって“満月”半月“”三日月“”新月“”おぼろ月“”中秋の名月“などみんな違います。それをたった一つの写真や絵で見せられたらがっかりしてしまうのです。
テレビもこれと同じです。でも、テレビの刺激に慣れている子はだんだんと自分の脳でイメージを膨らませて想像力を豊かに思考することをしなくなります。そして想像力を働かせなくてはならない読書を嫌うようになってしまうのです。
テレビは見せる番組や時間を決めましょう。必要以上にだらだらと見せるのは止めましょうね。
プロの声優さんや俳優さんが読んだDVD付きの絵本。「下手な私が読んでやるよりはまし」と思ってこればかり与えている人がいます。
でも、人間の脳は生の人の声に反応するようになっています。目と目を合せるからこそ言葉のキャッチボールが出来ます。だからママが生の声で読んであげましょう。どんなに上手なプロの声優でもママが大好きな子ども、これに勝るものはないんですよ。
子どもはこれから言葉を覚え、人との関わりの中で沢山のことを学んでいきます。 こんな時“テレビと共に生きる”“テレビとお友達”にしてしまうのは避けましょうね。
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