戦後七十年を過ぎて、色々な社会的ひずみや問題点が浮き彫りになってきています。その中に子ども達を取り巻く状況の変化があります。
まず核家族化が進み、子育てについて受け継がれるものが失われ、子育てに自信が持てず、不安を抱える親が多くみられるということです。また、兄弟の数が少なくなり、一人っ子が増えています。そのため、兄弟喧嘩の中で育つ自制心や相手の立場を思いやる心を学ぶ機会が少なくなっています。
こうした環境の中では、自分を主張したり自制したり、相手を思いやったり、理解したりしようとする心が育ちにくくなっています。
更には親となる世代にもそのような心が育っていなかったりする場合があります。そうした家庭では親子の対立や、親子の心の通い合う場面が少なくなり、第三世代にまで悪影響が重なっていくことになってしまいます。
また、一人っ子のために過剰な親の期待がかけられたり、甘やかされたり、わがままになってしまう傾向が強くなってきてしまいます。
これは親自身が気づかずにそう育てられたままに子どもに向き合った結果、子どもの心身症、不登校、家庭内暴力、キレる子どもを生み出してしまう悪影響といえるでしょう。虐待の増加もそのひとつです。