子どもって親の言うことを素直にきいてくれませんよね。そんなとき「やめなさい!」「いい加減にしなさい!」「ダメでしょ!」つい口喧しく言っていませんか。
毎日同じことを言っているのにどうして言うことをきかないのでしょうか。それは子どもが心から納得していないからです。
そこで、今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が共感の必要性についてお話しします。
会社での会議や幼稚園、保育園でのPTAの会合で話し合う場があります。育った環境や立場の違い、今いる家庭環境でみんなそれぞれ思いがあります。そんなとき自由に意見を出し合う場なのに力の強い上司やまとめ役のママが「それは違います!」と否定されたり、こちらの言い分を聞いてもらえなかったりするとどうでしょう。
また、意見を言い終わっていないのに話の腰を折られたらどんな気持ちがするでしょう。
決定権のある人には従わなくてはならないのでその場は黙って引き下がりますが、納得はできないとモヤモヤしたものが残るものですよね。
子どもだって同じです。親にとってはその時、それをやられたら困ることになるわけですですが、子どもはそれがしたいのです。子どもは間違っている訳ではなく、その場の状況をわかっている親の主張と意見が異なるだけなのです。
例えば、公園の砂場で他の子どもが使っている玩具を欲しがったり、「スーパーでお菓子買って」と騒いだりします。これは立派な意見であり主張です。
こんなとき「ダメ!」「止めなさい!」「こら!」「いい加減にしなさい!」とママから怒鳴られたら、親が怖いので渋々言うことには従いますが、納得はしていないので心の中は不満タラタラ。だから、また同じことを繰り返します。
では、子どもが「仕方がないな。我慢しよう」と心から納得するには親はどう対応すればよいのでしょうか。それはまず、子どもの気持ちを言葉に出して受け止めてやることです。
(他の子どもが使っている玩具を欲しがったとき)
子ども「あれで僕も遊びたい!」
ママ「なんだか面白そうな玩具だね。あれ貸してほしいよね。でも、残念だけど今は○○ちゃんが使っているから待っていようね」
(スーパーでお菓子をほしがり地べた泣きしたとき)
子ども「お菓子買って!買って!」
ママ「このお菓子美味しそうだね。食べてみたいね。でも、今日は夕飯のお買い物に来ただけだから、買わないよ」
子どもだからこう言われたからと言って「はい、はい、そうですね。わかりました」素直には従いません。でもぐずっていたとしても泣きながら心の整理をして“自分の思い通りにはいかない理由”を理解していきます。時間をかけて待つ忍耐力をママが持ちましょう。
人間は人から命令されることよりも自分自身が納得した時の方が前向きに行動に起こすことができます。
「やめなさい!」「ダメ!」の命令ではなく、子どもの主張をまず聞いてやった上で「なぜ、そうしなくてはならないのか」と子どもを一人前扱いして話をしてあげましょうね。
(C)あべゆみこ