目のトラブルは他の部位と比べて気づきにくいものです。とくに最近は、スマートフォンやゲームの長時間の使用が問題になるなど、子どもの目との関係も気になります。
今回はママたちが日頃感じる素朴な疑問に答えます。
A:
弱視の早期発見・治療がとても大事です。
弱視とは、メガネやコンタクトで矯正しても視力が出ないことをいいます。視力の機能がほぼ完成する8歳ごろまでに治療を行わないと、その後どのような治療を行っても視力を育てることはできません。
3歳児健診での視力検査が一般的になりましたが、自治体によっては実施されないこともあります。また年長児や学童期で弱視が発症することもあります。片目だけ弱視の場合、視力がよいほうの目で見て行動するため異常に気づきにくいことがあります。
片目を隠してカレンダーを見せるなどして、変だなと思ったら早めに眼科を受診してください。
A:
遺伝的な要因が大きいです。
昔から本の読み過ぎや暗い部屋でモノを見続けると目が悪くなるといわれてきましたが、科学的な根拠はありません。部屋の明るさに関していえば、乳幼児期に明るい部屋で育ったほうが近視になりやすいという研究報告もあるほどです。
近視は、顔や体型が親に似るように、遺伝的な要因が大きく影響します。小学校高学年からは身長がグンと伸びますが、それとともに眼球の奥行きも深くなり、近視が進行します。心配する人も多いのですが、成長期を過ぎれば近視も進まなくなります。
A:
色覚異常の可能性も。眼科で相談してください。 色の見え方が多くの人と異なる場合を色覚異常といいます。色を識別する細胞がうまく機能しないために起こります。
ほとんどの場合、問題なく日常生活を送れますが、船舶関係など一部の職業では就業を制限されることがあります。
多くは緑色と茶色(緑の葉、土・木の茶色)を見分けるのが苦手なので、緑色の葉っぱを茶色に塗るなど、子どもが描いた絵を見て「変だな」と気づくことも多いようです。また、黒板の板書では、赤、青のカラーチョークが見えない場合もあります。現在、色覚検査は学校検診では行われていません。気になるときは眼科で相談してください。
A:
近視や乱視を早く発現させるおそれがあります。
体が小さな子どもは大人に比べて腕が短く、目から10~20㎝の近距離で画面を見つめてゲームをすることになります。
科学的に証明されているわけではありませんが、目の調節筋の疲労が蓄積することにより近視や乱視を早く発現させてしまうことが考えられます。目の健康を考えれば、ゲームの連続使用は30分までと決め、体を動かす遊びをさせたいですね。
目の筋肉は、遊びや運動で体をたくさん動かしていれば、体のほかの筋肉と同様に強くなります。その結果、成長期に近視になっても、裸眼視力が落ちる速度が遅くなりメガネをかける時期を遅らせることができます。
A:
メガネの装着は近視の進行とは無関係です。コンタクトデビューは中学性になってから。 メガネをかけると近視が進むといわれますが、これはまったくの誤りです。
近視の進行はメガネの装着と関係なく起こります。視力をはじめ立体感や遠近感、動体視力など視機能を十分に発達させるには、必要ならメガネをかけて、いちばん見やすい条件を整えてあげることです。
コンタクトレンズは、先天性白内障などでは乳幼児期から装着させることがありますが、一般には自分で管理できる中学性以降が望ましいでしょう。