「男の子だから」「女の子だから」「一人っ子だから」と人は人を型にハメたがります。 でも、型にはめすぎると本質が見えなくなることがあります。
今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が型にはめがちな例をいくつかご紹介したいと思います。
・元気溌剌で公園で走り回り活動的でなくてはならない
→おとなしい男の子もいます
・電車、車、恐竜に興味を示さなくてはならない
→ママゴト遊びが好きな男の子もいます
・青、緑、黒の洋服を着せなくてはならない
→赤、ピンク、オレンジも似合う子がいます
・人形遊び、ママゴトに興味を示さなくてはならない
→鉄子(=電車が好きな子)もいます
・ピンク・赤系統の服を着せなくてはならない
→青、ブルー、緑系が大好きな子もいます
・言葉が男の子よりも早くなければならない
→言葉が遅れて出る女の子もいます
・おとなしくしていなくてはならない
→走り回る女の子もいます。又、男女問わず電車の中、病院の待合室では静かにしていることを躾けなくてはなりません
・一人っ子だから何でも思い通りになる環境にいるので我儘だ
→兄弟姉妹がいても自分勝手な子、我儘な子どもはたくさんいます
・笑顔でいなくてはならない
→毎日、子どもと向き合っていてずっと笑顔でなんかいられません
・明るくいつも“プラス思考”“前向き”でなければならない
→マイナス思考になりがちな人はプラスに考えられない自分をますます自己否定するようになってしまいます
・手作り料理、キャラ弁をこしらえてあげなくてはならない
→料理が苦手な人もいます
・自閉症児だからすぐれた才能がある
→それは一部の子どもです。全員が全員そうではありません
・奇声を発したりウロウロするのを許してほしい
→本人の努力や親の躾でどうにもならないこともありますが、社会生活を送っていく上で一定のルールをわかりやすく教えて行くことも必要です
・立派で人徳者である
→苦労をするのは確かですが、子どもを受け入れることは出来ず虐待したり育児放棄する人もいます。これは健常児の親でも、障がい児の親でも関係がありません
・B型はマイペース、独創的
→A型でもO型でもそういう人たちはたくさんいます
・大阪の人だから大阪弁でギャクを言わなくてはならない
→大阪の人は面白いというのは思い込みです
東京の人だから「物事をはっきり言う」と言われますが、これも人によりけりです。
“何故、型にはめてはいけないか”というと、それは子ども自身の“○○でありたい、○○したい”という気持ちを否定し一般論や普通であることを押し付けているからです。これは子どもの一番の味方である親が、子どものありのままの姿を受け入れていないことだからです。
例えばあなたの子どもが13人に1人はいるLGBTの可能性もあります。[LGBT・・・レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー/トランスセクシュア(心と身体の性の不一致)の頭文字を取ったもの]
“男の子として”または“女の子として”の枠組みで育てられ、自分の好みを主張したり、自分のしたいこと禁止されて育った子どもは、自らの気持ちを押し殺し隠すようになります。やがて「変な目で見られたくない」「親に申し訳ない」と思い、自身のことを恥ずかしい存在とみなし、自己否定するようになります。
人間には多種多様性があります。“最初に型ありき“ではなく親は我が子を“1人の人間”としてその特性を認めてやる“応援団長”になることが最も大切なのではないでしょうか。
※この記事を書いた立石美津子さんの著書
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