教育[725]

子どもにカッとなってしまった時の賢い対応

2,274VIEWS

執筆者:門衛 教育運営チーム

ケース:夕飯どきになるとケンカを始める小2のIちゃんと、幼稚園年中のYちゃん。姉妹のケンカにママはイライラ。そのうち妹のYちゃんが泣き出して…。

×「またYちゃんを泣かせてるの?忙しいときにいつもじゃない。いいかげんにしてよ!」

○「ママは今、ご飯の支度で忙しいの。2人ともケンカを続けるなら、違う部屋に行って。あと10分でごはんができるから、もう少し待ってね」

おなかがすいているうえに疲れている夕方は、大人も子どもも不機嫌になりやすい危険な時間帯ですね。子どもがケンカをしたりすねたりするのは、自分の気持ちをうまく表現できないからです。それに対して親まで感情的に対応してしまっては子どもと同じです。まずは親が落ち着く努力をして、冷静になりましょう。

具体的な方法のひとつは、少しの間、別の部屋に行くなどして、物理的に子どもから離れることです。自分が離れられない状況なら、子どもに移動してもらいましょう。

数分間でも離れていれば、お互いに落ち着いてくるはずです。あるいは、ひと呼吸置く、深呼吸をする、1から10まで数えてみる、などの行動をして、ネガティブな気持ちにストップをかけます。

イライラしながら「なんでうちの子は全然言うことを聞かないんだろう」「いつになったらよくなるんだろう」と考えても、気持ちはエスカレートするばかりです。

また、焦点を当てるのは今、問題になっていることだけです。「昨日もこうだった」「あのときもひどかった」と過去にさかのぼって問題を大きくしないようにしましょう。「私は大丈夫」「徐々によくなっていく」と自分に言い聞かせましょう。気持ちもラクになります。

○のケースのように、「あと10分でごはんよ」と具体的で明確な指示を出してあげると、子どもたちも落ち着き、ケンカした相手に「ごめんね」と言う気持ちになれるでしょう。

ケース:小4のRくんは、下校時に友達のDくんの手がぶつかったので文句をつけたところ無視され、キックしたとか。Dくんは泣いてしまったそうで…。

×「友達をキックするなんて絶対ダメじゃない。Dくんが大けがでもしたら、あんたどうするつもりなの!」

○「ママに報告できたのは偉かったね。Dくんがあやまってくれなかったのが悔しかったんだね。でも、いきなりキックしたら、Dくんはびっくりするよね。それはいけないことだよ」

わが子が「友達をキックした」と言ったら、親としてはドキッとしますよね。ただ、そこに注目する前に、まずは子どもが自分の非を親に正直に話した、という点を評価してあげてください。

頭ごなしに「ダメじゃない」とか「どうするつもり?」と責めたてると、子どもは「親に話すのは得策ではない」と判断し、次から隠したり、ウソをついたりするようになります。

親が感情的になって責めたり怒鳴ったりするより、まずは子どもの話をよく聞いて、よかった行動をほめるほうが、子どもの「しまった体験」は引き出しやすくなります。

子どもがとった行動には、子どもなりの理由があるはずです。ならば、まず親は子どもの側に立ってその理由を聞き、共感したり、気持ちに寄り添ったりしましょう。親が自分を理解してくれているとわかれば、子どもの気持ちは満たされて安心します。

すると「ごめんなさい」という言葉がすんなりと出るようになり、悪い行動も減っていくのです。

「いきなりキックしたら相手はびっくりするでしょう。だからそれはいけないことよ」と理由を示したうえでの注意はそのあとです。

納得のいく理由を示せば、子供は親の指示に従いやすくなります。そして、相手にあやまるのは屈辱的なことではなく、よいことだとわかるはずです。よい行動がよい結果をもたらすことを具体的、かつ簡潔に伝えましょう。

「ママは怒ってばかり」では、子どもは怒られることに慣れてしまい、いくら強く言っても効果がありません。「基本はほめて、たまに叱る」のが親にとってラクで効果的なしつけです。

関連記事

教育総合ランキング2024/11/24 更新

門衛PC版へ 
ページのトップへ戻る