子どもが学校に行くことを嫌がったり、自殺をほのめかすような言葉を発したりすると、親はいじめにあっているのでは、と思ったりします。すると親はそればかりを考えるようになります。
つまり「いじめ被害妄想」にとらわれたりする。そこですぐに担任の先生に話したり、教育委員会に行ったりします。
しかしそれは軽率であり、良い結果とならない場合が多いようです。我が子の様子に何か変な予感がしたり、そんな素振りを見たら、親は「まさか…」と思うのは当然ではあるが、そう思う気持ちをもう一度振り返ってみましょう。行動に起こす前に冷静に思い直すことが重要です。
そうした親の愛の気配りが良い結果を生むことになります。また、「いじめ」の問題の深刻化を防ぐことにもなり、最悪、事態を未然に防ぐことも可能になります。
その時に親がうろたえたり、子どもにしつこく問い詰めることは事態をさらに悪化させることになりかねないので注意が必要です。
前回記事の「いじめられている可能性チェック」の項目には、いじめられていることに直接は繋がっていないものもあります。そうした可能性が十分にあり得るという事なのです。
親がそうした子どもの変化やサインに注意を向けることで、子どもは自分で強くなろうと考えたり、親もそうした誤りを何度か繰り返すうちに子どもの本当の姿を見抜く目が養われていくことになります。
実際に子どもの変化や兆候が認められた際には次のように対応してみましょう。
1.新聞やテレビで報道された「いじめ事件」などを話題にしてみる
2.子どもが強い関心を示したり、黙り込んだりしたら、親の体験談や具体例を話してみる
3.子どもの反応があったら、新聞やテレビで報道された事件に対しての感想や意見を聞き出してみる(この時、子どもの語り口調や顔色の変化を見て、本人の感情を見ながらクラスや友達のことに話を向けてみる)
4.本人が現にいじめられていれば、そのことが感じられるはずです。そこで「ところであなたは大丈夫?いじめられたりしていない?心配しないでお母さんに話してごらん。あなたが寂しそうにしているから、お母さん心配していたんだよ」などと話しかけ、自分の気持ちを伝えます。また、その時に思わぬクラスや友達の状況を知ることにもなります。 このように話を進めると、子どもも親は日頃から見守り、心配してい気持ちや、真心も伝わり、本心を打ち明けてくれるようになるでしょう。
親は子どもを監視するのではなく、愛情と心の眼で子どもを観るよう日頃から心がけましょう。
いつも成績を気にしたり、ガミガミ言っている親でいると子どもは多くを語りたがらなくなります。普段から人間味のある態度、愛情、安心感をもって子どもに接するように努めましょう。