赤ちゃん連れでママ友との外出予定を立てていました。ところが子どもが熱を出してしまいました。そんなとき“我が子の身体の心配より参加できなくなったことを残念に思う”こう感じてしまう自分は母親失格なのでしょうか。
今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子がその原因についてお話しします。
なかなか妊娠しなかったころ、抱っこひもやベビーカーで赤ちゃんを散歩に連れて行っているママを見るとまぶしいほどの幸せオーラを感じていた私。
自分にも赤ちゃんがやってきたら“バラ色の毎日が続く”と思っていたのに・・・現実は不安と孤独感に苛まれている。想像していたのと真逆ですよね。
妊娠中はエストロゲンが増えますが出産後急激に減ります。この減少が不安や鬱、孤独感を感じさせる要因になっています。実際、産後鬱は通常の鬱病の5倍にも上るそうです。
なぜ、これが減ってしまうのでしょうか。それは母親一人で孤独な育児をしないようにするため、“共同養育”といって脳に備わった本能的なシステムがあるからなのだそうです。(1月2日放送 NHKスペシャル“ママ達が非常事態、最新科学で迫るニッポンの子育て より全国母子世帯調査より)
子育てに対して不安と孤独を感じるのは7割にも及ぶと言われています。(NHK 子育てに関する意識調査報告)
ところがママが助けがほしいときは周りに協力を得られないのが実際です。
夫の家事の家事、育児参加時間
スウェーデン 3時間21分
アメリカ 3時間13分
フランス 2時間30分
日本 1時間7分
(参照 男女共同参画白書)
ベビーシッター利用率
アメリカ 41%
フランス 17%
スウェーデン 12%
日本 2パーセント
(参照 家庭教育に関する国際比較報告書)
日本の核家族は全体の8割に上ります。一番頼りたい夫は仕事で帰りが遅かったりします。両親も遠い田舎にいて助けてくれる環境がない人もいます。皆が皆、保育園やベビーシッターに預けられるわけではありません。
そんな中、母親と子ども一人だけで向き合って一日家に閉じこもっていれば悲しく、不安になるのは当たり前なのです。
そして、可愛い子どもが生まれたのに孤独感にさいなまれるのはエストロゲンが減ったためなのです。本能が求めているのに環境がそれを許してくれない状況なのですから“母親失格”なんて思う必要はないのですよ。
ママ友と繋がって外出したり、SNSでやりとりすることは必要なことです。どんどん同じ思いをしている仲間と交わりましょう。
今は子育て支援の一貫で地域にそんなサークルがありますので調べてみましょう。
お出かけができなくなったとき“子どもの身体の具合が悪いこと”に対するショックよりも、自分がママ友と交われない悲しみの方が上回っても自分を責めないでくださいね。
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※この記事を書いた立石美津子さんの著書
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