家事をテキパキとこなし自分が何でも出来るママで、かつ仕事でもそれなりにして評価されていると、頭の切れない我が子、グズグズしている我が子にイライラしてしまうことってありますよね。
けれども、パーフェクトな親の子が伸び悩むこともあります。 その理由についてお話ししたいと思います。
子どもって何でもうるさいくらい聞いてきます。 「どうしてお空は青いの?」「どうして葉っぱは緑なの?」など・・・。
「くだらないことばかり聞いてきて・・・」とイラッとしてしまい「そんなことは決まっているの、同じこと何度も聞かないの、しつこいわね」としていると次第に「ママに何を聞いても教えてもらえない、だったらもう質問するのは止めよう」となってしまいます。知的好奇心が育っていくことはありません。
また、反対に「だったらママが詳しく調べてあげる」と完璧な答えをするのもお薦めしません。「自分で知ろうとしなくても、何でもママが教えてくれる」と思ってしまうからです。
“子どもには魚を与えるな、釣り方を教えよ” “勉強を教えるのではなく勉強の仕方を教えよ”という言葉があります。
いつか親元から巣立っていく子どもに対して、ずっと傍についてあれこれ指示をすることはできません。だったら幼い頃から少しずつ自分で調べる習慣をつけさせてやりましょう。
知識や知恵よりもこれらを獲得していく技を教えてやりましょう。
「ディズニーランドはどこにあるの?」と聞かれたら「東京都にあるのよ」と嘘を教えたり、「千葉県にあるのよ」と正解を直ぐに教えることは止めた方がいいです。
「千葉県にある」と即答してしまうとそれで、おしまいですが「どこかしら?地図で調べてみよう」と言えば地図の見方を学べます。
地図を見れば千葉以外の隣接している埼玉県、神奈川県にも興味を持ったり、県の面積や位置関係も知ることが出来ます。「もっともっと知りたい」と思うようになります。
算数が得意な先生が算数の教え方がうまい訳ではありません。むしろ、自分が算数が苦手だった先生の方が“どんなところで躓くか”と出来ない生徒の気持ちがわかるので、教え方がうまかったりします。
2+3、1+3が出来るのに4+3で躓く生徒がいます。
自分が算数が得意だった先生は「なんでこんなこともわからないの?同じ10以内の繰り上がりがない足し算なのに!」と思います。
でも、教科書でも単元が分かれているように4+3は次のように考えて通常、答えを出すよう指導します。
4+3
(1) 4に幾つ足したら5になるか考える。「1」だ!
(2) だから、3の中から1を借りてきて、4+1=5
(3) 3から1は使ってしまったから、残りの2を足して7
(4) だから 4+1+2となるから答えは7
まさに10以上の9+3の繰り上がりの問題と同じで、子どもにとっては繰り上がりの問題なのです。だからわからなくなるのは当たり前、ここのところが頭の良い人にはわからず、出来の悪い子どもの気持ちが理解できないんですね。
子どものお手本になって完璧に答えようとする必要はありません。むしろ“ちょっと頼りない”くらいの親の方が子どもがグーンと伸びたりしますよ。
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※この記事を書いた立石美津子さんの著書