「子どもはほめて育てよう」とよく言われます。でも、いざ子どもをほめようと思っても、子どもの何をほめたらいいのか、どうほめたらいいのかがわからないと悩むお母さんは多いものです。「そもそもうちの子は、ほめられることなんてしない」とおっしゃるお母さんもいるでしょう。
でも、そんなことはありません。子どもは誰でも、ほめられるべきすばらしいことを毎日たくさんやっています。
どんなにお母さんを困らせてばかりの子どもでも、どんなに言うことを聞かない子どもでも、「ほめられること」を今日もやっているのに、親が気づいていないだけなのです。
でも、ちょっと視点を変えるだけで、それは見えてきます。
子どもへの視点を変え、「ほめどころ」をたくさん見つけられる素敵なお母さんになりましょう。「私ってほめられたら伸びるタイプ」と言う人がよくいますが、それは子どもも同じです。子どもはほめられるとどんどん伸びていきます。
なぜ、ほめることが良いのか、その理由は大きく3つあります。
・自分に自信をもつ
・親を信頼する
・笑顔が増える
どんな子もすばらしい長所をもっています。それが見えるか見えないかで、子育ての楽しさは大きくちがってくるものです。我が子の長所に目を向けるために、3つのことを意識してみましょう。
・ほめどころは、やって当たり前の中にある
食事の前に手を洗った、靴を揃えて脱いだ、絵本の読み聞かせを騒がずに聞いた、そういった普段当たり前のようにやっているものの中にこそ、「ほめどころ」が隠されています。
それらは決してやって当たり前ではなく、どうしても子どもがそれをできないと言って悩んでいる親がいるほどの、素晴らしい行動なのです。
そういう目で子どもを見てみると、たくさんの「ほめどころ」があることに気づきます。呼べば、「ハイ」と返事をする、「いただきます」を言う、きちんと並ぶ、子どもは、大人でさえできない人がいるすばらしいことを、毎日たくさんやっているのです。
・やらないときではなく、やったときに気づく
親は我が子がやらなかったときはすぐ気づき、文句も言うけれども、ちゃんとやったときは気にも留めないことが多いものです。例えば子どもがあいさつをしなかったり、お片付けをしなかったときは注意をしますが、それらをちゃんとしたときは何も言わなかったりします。
子どもがきちんとできたときもちゃんと気づき、それを評価する目をもっていると、自然に子ども長所に気づけるようになっていきます。やったときは気づかれもせず、やらなかったときだけ叱られる、を繰り返すと、叱られないと動けない子どもになることもあり、注意が必要です。
・消えたものが見える目をもつ
なかなかハイハイをしない赤ちゃんには「ハイハイをしない」と悩み、ハイハイをするようになると「なかなか歩かない」、歩くようになると「さっさと歩かない」、と子どもが何歳になっても、次々と悩みを抱え込むものです。
でも待ってください。少なくとも1年前に困っていたことからは、今、解放されているのではないでしょうか? 「前は○○で困っていたのに、今は大丈夫」。親だけは子どもの「消えてなくなったもの」が見えるのです。
消えたものに気づけるようになったとき、子どもの短所ではなく長所がしっかり見えるお母さんになっています。