僕が携わっているのは「教育産業」と一般的にいわれるものです。
最近は教育の定義も広くなっているようで、子育てや、反抗期でどうにもならない子供達の扱い方の相談を受けることも多くなりました。躾塾なんてものを開いたら、ビジネスになるんじゃないかと思うくらいです。
さて、今回は、子供に信頼される大人とは?突っぱねられる大人とは?ということにテーマを絞ろうと思います。
手前味噌ですが、僕はこういったご相談に日々相対している身ですし、その子にどんな特徴があり、苦手があり、得意があるのかを見抜いてから導くプロですので、信頼されなければ全く商売あがったりという職についています。そこで得てきたことを簡単にお伝えできれば幸いです。
初対面の子であってもかなり打ち解けてくれるのですが、僕が心がけているのは「ご機嫌とり」をしないことです。
子供はわがままなもので、自分を特別な人間だと思ってほしいと思っているくせに、特別扱いされすぎると拗ねてしまいます。要するに、大人の仲間入りをしたいわけです。仲間なのに顔色をうかがわれたら、良い気はしませんね。
なので、僕は自分にできないことを彼らができるなら、手放しで認めています。「ピアノ弾けるのか!俺は弾けないよ。すごいな!」なんて感じです。実際、僕の苦手は音楽なので、楽譜を読んで音に変換できる子を、本当にすごいなと思っています。
単純なことのようですが、子供はそれだけで、認められたと感じますし、多くの大人はこれがなかなかできません。 大人としてのプライドは、子供と話している時には不要ということ。人間対人間、という心づもりでいると良いかと思います。
子供とはいえ、人間です。こちらも、大人とはいえ、人間です。単純に生きている年数が違うだけですから、僕は偉いとは思っていません。先生といわれたところで、しょせん先に生きているだけなので。
ですから、客観的にみて経験値が高い我々が言っていることが正しいことはあるでしょうが、無下に従えとは言いませんし、大人のいうことを聞きなさい、とも言いません。
……大人のいうことを聞きなさい、って、儒教の教育を受けてきていない現代の子供たちにとっては、ただの押し付けですよね。韓国では授業教育が家庭教育の根幹ですから、年長者は偉い、先生は偉いと仕込まれているのでしょうが……日本では「なぜ?」しか生みません。
じゃあ、僕はどうしているのかというと。
まずは、意見を聴きます。そのうえで、君はどうしたい?と聴きます。自分の考えを先に述べてはいけません。大人の意見を汲んだ上での意見なんて、本音ではありませんから。彼、彼女が話し終えたら、「じゃあ俺の番ね?」とターンチェンジを宣言します。そして大人の要望(多くは保護者からの相談内容)を話します。
大事なのは、「自分の意見も聞いてもらえた」と子供が思うことです。一方的な押しつけは、大人がされてもいやだと思うので(上司に一方的にダメ出しをされたり、話も聞いてもらえないのって辛くないですか?)。
それでもこちらが引けない意見というのは、あると思います。理不尽に「ダメ」というよりも、理由をちゃんと考えて、諭すのが一番効果的です。子供は、納得したらちゃんと動きます。北風と太陽とは、よくいったもんです。
……長々書きましたが、信頼される大人って、子供を子ども扱いばかりはしないものです。彼らに話させることによって、考えさせますし、約束したなら守らせます。それが、将来的に責任感のある大人を育てていくのかな?なんて思っています。
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