教育[725]

うちの子が何を考えているのかわからない

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執筆者:門衛 教育運営チーム

教育に携わっていると、多く耳にするのが「うちの子が何を考えているのかわからない」というもので、実際にこの数週間でも、何件もご相談を賜りました。今回は、理解できるようでできない子供の話をしていきます。

1.子供が見えない……

それは、成長の印です。 保護者の方、言い方は悪いですが特にお母さんたちに多くみられます。

本当によくあるケースとしては、お母さんと娘さんの間で「壁」が出来始める中学2年生ごろ。「去年までは素直だったのに」「いうことを聞かない」「学校のことを話してくれなくなった」という相談が急増します。

ここで、視点を変えましょう。

子供は、大人というひとつの中間ゴールに向かって、常に変化する存在です。小学生の間は無邪気に話してくれていたことも、急に話さなくなるでしょう。それは、子供が保護者のみなさんを嫌っている・避けているわけではありません。

表面上はそう見えますが、彼らには彼らなりの自我が芽生え、一人で歩き出そうとしているだけです。これは、大きな成長の印です。小学生のうちに、保護者の方や学校の友達、先生たちに導かれて、身の処し方をある程度身につけ、それを実践したい年頃に入るのです。

僕が見てきた限りでは、

<小学生>
保護者になんでも話したい年齢。認めてもらいたい。褒めてもらいたい。気になる異性が登場しはじめ、ちょっと大人に近づいてきていることすらも褒めてほしい・知ってほしい。

<中学1年生>
慣れない環境に身を置くため不安が多い。先導者として身近な大人に話を聞いてほしい。

<中学2年生>
中学校というものに慣れてきたため、多少の自信がついている年齢。今度は自分でやってみたい。口出しをされたりすると、信じてもらっていないのでは?と思ってしまう。

<中学3年生>
自分の進路を見据え、自分と向き合う年齢。理想の自分と現実の自分との間で大きく揺れ、先導者として身近な大人に話を聞いてほしい。

<高校生>
高校入試や進級審査(中高一貫校の場合。名称は学校によって異なる)という大きなハードルを超えて、挫折なり成功体験なりを経験し、どちらにしても「中学生とは違う」という自信がある年齢。大人の先導を受け入れつつ手に入れてきた経験なので、大人を認める度量が見え始める。

……こんなパターンが多いのではないかと思います。もちろん男女で大きく異なりますし、個人差が非常に大きいものです。しかし、年齢が前後することはあっても、ほぼ全員が同じ道筋を辿っていくようです。まずはお子様の成長を受け入れ、喜んであげてください。

子離れというと寂しい気持ちになってしまうと思いますが、保護者の方は、多くの場合お子様よりも早くこの世を去ります。お子様がたが遺されたときに、保護者の導きがなく途方に暮れてしまう可能性を考慮してあげてほしい。その時に備えて、一人で考え、実践する練習をしているのだと捉えてみてください。

2.子供の言い分

子供は子供で、大人が「自分たちのために言ってくれている」と、わかっています。本人たちに聞いてみると、多くの子が「親は自分のためにやってくれている」と理解した上で反発していました。

では、なぜ反発するの!? 
なぜ言うことを聞かないの?? 

……と、お嘆きのことでしょう。保護者でもなく学校の先生でもない、完全な第三者という立場の僕に、子供たちはいろいろなことを明かしてくれます。

どうして怒ったり、反発したり、お母さんのことを無視したりしちゃうんだい?……よく、こんな話をすると、子供たちは少しずつ教えてくれます。理由は単純なことでした。聞いていて、思わずうなってしまうほど納得がいきました。

自分の力でやってみたいのに、させてくれないから。失敗して痛い目を見るかもしれないけれど、うまくいくかもしれない。そんな気持ち、大人にもありますよね。初めての仕事で、一人で立派な成果を出して、それを認めてほしい。それと全く同じです。

ちゃんと結果が出たら見せるから、信じて待っていてほしい。それが、どうも子供たちの言い分のようです。

3.本当は子供も「お母さんお父さんと話したい」と思っていたり

反発に反発を重ね、悪くなってしまうこともある親子関係。「うるせえ!」とか「死ね!!」とか、そんな言葉をぶつけられてしまう保護者の方も少なくないでしょう。本来子供が大人に向かって言っていい言葉ではないですが、どうもそこのさじ加減が下手なのが現代っ子です。

本当は話したいらしいのですが、彼らは彼らのリズムで生きています。次の日、部活の練習で朝が早いときに呼び止められて成績の話……僕だったら、うんざりします。

タイミングを見て、互いにフラットな気持ちでお話ができるときに。彼ら彼女らが、自分勝手にも話しかけてきたタイミングは、受け止めてあげてください。


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